HOME > 新着情報 > ワールドヘルスレポート > よく噛み、甘いものを食べるのを日中に限るとメタボ予防に有効か

  • 新着情報
  • ニュースリリース
  • ワールドヘルスレポート
  • 発表会・講演会・研究会

新着情報

ワールドヘルスレポート

2018年8月号記事 vol.171

よく噛み、甘いものを食べるのを日中に限るとメタボ予防に有効か

4.1.1近年、日本でも中高年を中心にメタボリックシンドロームが大きな問題となっています。メタボリックシンドロームは放置しておくと生活習慣病の発症の原因となり、悪化すると高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病の発症や心臓や血管の病気を引き起こすと懸念されています。今回は、日常生活の中で手軽にできる「メタボ予防」を日本の研究2本からご紹介します。

よく噛んでメタボ予防

よく噛める人ほどメタボリック症候群になりにくいことが、新潟大学と大阪大学、国立循環器病研究センターらの共同研究グループの検討でわかりました。詳細は「Journal of Dentistry」オンライン版に2016年10月25日掲載されました。

研究グループは、大阪府吹田市民を対象に行っている疫学研究「吹田スタディ」の参加者中、50~70歳代の男女1,780人(平均年齢66.5歳)を対象に、基本健診と歯科検診を行いました。参加者には歯周病検査のほか、専用グミゼリーを30回噛んだのちに増えた表面積を算出して咀嚼能率を評価しました。

対象者を咀嚼能率で4群に分けて解析した結果、最も咀嚼能率が高い群を基準とすると、咀嚼能率が2番目に低い群でメタボリック症候群リスクが1.46倍であることがわかりました。対象者の年代別に解析したところ、70歳代の男女では、咀嚼能率が低下した3群すべてにおいて、メタボリック症候群リスクが1.67~2倍近くに高まっていることが明らかになりました。50~60歳代よりも70歳代で両者の関連は顕著になることも判明したことから、新潟大学歯学部の小野高裕氏は「噛めないことをはっきり自覚できない年代があぶない。高齢者は噛めないことによる生活習慣病リスクに注意すべきだ」と話しています。

甘いものを日中に限ってメタボ予防

また、 甘いものを食べるのを日中の時間帯に限ると、メタボリック症候群の予防につながる可能性があることを、名古屋大学大学院生命農学研究科准教授の小田裕昭氏らの研究グループが、ラットを用いた実験で突き止めました。時間帯に関係なく砂糖(ショ糖)を摂取するのに比べて、日中の活動時間帯に限ると脂肪肝や脂質異常症になりにくいことが分かったということです。詳細は「PLOS ONE」2018年8月15日オンライン版に掲載されました。

砂糖の取り過ぎは、食べ過ぎや運動不足と同様にメタボリック症候群のリスク因子だとされています。そこで、研究グループは今回、砂糖の摂取時間を活動時間帯に制限すれば過剰摂取による脂質代謝異常を改善できるとする仮説を立てました。実験では、ラットにでんぷんまたは砂糖の餌を与え、それぞれを自由な時間帯に食べられるグループと、活動時間帯に限って食べられるグループに分け、摂取開始から4週間後の肝臓内や血中に蓄積した脂肪量を調べました。その結果、餌の摂取量は同じでしたが、砂糖を自由な時間に摂取できたグループに比べて、活動時間帯に限って摂取したグループでは肝臓内や血中の脂肪量が少ないことが分かりました。

こうした結果を踏まえ、研究グループは「甘いものの摂取には一種の習慣性がある。砂糖の取り過ぎは身体に悪いと理解していても実際に食べる量を減らすのは難しいが、今回の結果から、甘いものを食べるのを日中に限ることで、取り過ぎによる悪影響を避けられる可能性が考えられる」と話しています。

食事の時にはよく噛んで咀嚼能を強化する、そして甘いものの摂取は日中の活動時間に制限することがメタボ予防には重要なようです。日常生活で心がけてみてください。

 | インデックス |