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ワールドヘルスレポート

2018年1月号記事 vol.164

赤ワインで「リラックス」、蒸留酒で「攻撃的」に?

4.1.1お酒を飲んでどんな気分になるかは、飲んだお酒の種類によって左右されるという研究結果が「BMJ Open」11月21日オンライン版に掲載されました。英国の研究グループが21カ国の約3万人を対象とした調査データを分析した結果、赤ワインやビールはリラックスした気分をもたらす一方、蒸留酒は攻撃的な気分や涙もろさにつながりやすいことが分かりました。この研究は、パブリックヘルス・ウェールズNHSトラスト(英)のMark Bellis氏らによって実施されました。

対象は、2015年11月~2016年1月に実施された調査に協力した21カ国の18~34歳の男女のうち、調査時点から遡って1年間にビール、赤および白ワイン、蒸留酒の4種類を全て飲んだことがあり、自宅および自宅外でよく飲む飲み物としてこれらの中から1種類を挙げた2万9,836人。調査では、これらのアルコール飲料を飲んだ時に(1)活力がみなぎる、(2)リラックスする、(3)セクシーな気分になる、(4)自信が増す―といったポジティブな気分、あるいは(5)疲れる、(6)攻撃的になる、(7)気分が悪くなる、(8)落ち着かない、(9)涙もろくなる―といったネガティブな気分を経験するかどうかについて聞きました。

その結果、「飲んだ時に攻撃的な気分になる」との回答率が29.8%と最も高かったのが蒸留酒だったのに対し、赤ワインを飲んで攻撃的な気分になると回答した人の割合は7.1%でした。 また、蒸留酒は攻撃的な気分だけでなく、気分の悪さ、落ち着きのなさ、涙もろさをもたらしやすいことも分かりました。逆にリラックス効果が最も高かったのは赤ワインで、回答者の52.8%が「赤ワインを飲んだ時にリラックスする」と回答し、次いでビールについても約半数の回答者が「リラックスする」としていました。ただし、赤ワインにもネガティブな作用はあり、「飲んだ時、疲れた気分になる」と回答した人が最も多かったのは赤ワインでした。今回の結果を踏まえ、Bellis氏は「アルコールによる情緒への悪影響を知ることは重要だ」と話しています。

また、アルコールは適切に摂取しないと情緒だけでなく肺にも悪影響を及ぼすことが、米ロヨラ大学(シカゴ)のMajid Afshar氏らの研究(「Chest」7月号)で示唆されました。米国の成人1万2,059人のデータを分析したところ、大量飲酒(女性では1日1杯以上、男性では1日2杯以上)、または月1回以上の深酒(女性では1回に4杯以上、男性では5杯以上)をする人は、全く飲酒しない人に比べて、呼気中の一酸化窒素が少ないことが判明しました。同氏らによると、一酸化窒素はある種の有害な細菌から肺を守る働きがあるということです。Afshar氏は、「アルコールは肺の健康なバランスを崩すようだ。肺をみる医師はこの点を考慮すべきだと思われる。アルコールと気道内の一酸化窒素との相互作用について理解を深めていくためには、さらに研究を重ねる必要がある」と述べています。

適切な種類の適度な飲酒は、リラックスや気分をポジティブにする等の望ましい効果も期待できますが、飲み方に問題があると情緒や肺にも悪影響があるようです。問題があると感じられる場合は、飲んでいるお酒の種類や量について見直してみるのも有効かもしれません。

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