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認知症と糖尿病・メタボ ‐糖尿病と認知症-その危険な関係を知る-

2019年10月2日に有楽町朝日ホールにおいて、一般財団法人 東京顕微鏡院の主催で「認知症と糖尿病・メタボ」と題してセミナーが実施されました。今回は、このセミナーに基づいて、認知症の予防における生活習慣病の克服について2回にわたって考えます。

糖尿病と認知症-その危険な関係を知る-

セミナーの中で、羽生春夫氏(東京医科大学 高齢総合医学分野 主任教授)が「糖尿病と認知症―その危険な関係を知る」と題して講演しました。

① アルツハイマーと生活習慣病

認知症の中でも、アルツハイマー病が50%~60%を占めます。認知症(アルツハイマー病)で早期に障害が現れるのは記憶と見当識であることから、Q1)昨日の夕食は?Q2)今日は何日?何曜日?等の質問をすることがチェックポイントとして挙げられます。

近年の研究で、生活習慣病が認知症の発症や進行に関係していることが明らかになっており、特に高血圧、糖尿病、脂質異常症がある人は、アルツハイマー病を発症しやすい傾向にあります。そのことから、アルツハイマー病の予防のためにも、生活習慣病を予防/治療することは非常に大切です。また、アルツハイマー病を発症していても、生活習慣病を適切に治療することで、進行を遅らせることができます。そのなかでも特に糖尿病は合併症も多く、認知症との関係性が指摘されているため、早期にきちんと治療するようにしましょう(図1)。

認知症と糖尿病 ①

② 認知症と転倒防止

加齢とともに筋肉量が減少することを「サルコペニア」と言いますが、サルコペニアを発症すると、転倒、骨折、寝たきりになりやすくなります。寝たきりになって活動量が減ると、認知症のリスクが高まってしまう恐れがあります。筋肉は“貯筋”することができず、半減期は48日であると言われます。例えば、転倒や骨折、疾病などで2週間の寝たきりの生活をするとおよそ7年分の筋肉を失ってしまう、と羽生氏は指摘します。つまり、若いころに運動をしていても、無理がない範囲で運動を続けないと筋肉は減っていってしまいます。そのため、転倒を防ぎ、寝たきりにならないようにすることは非常に重要です。靴を選ぶときには、転倒しにくいものを選ぶようにしましょう。高齢者の靴選びの主なポイントを以下にご紹介します(図2)。

認知症と糖尿病 ②③ 認知症と活動・生きがい

また、認知症の予防では、生活習慣病に気を付けるとともに、活動し続けることや生きがいを持ち続けることも大切です。糖尿病・活動量と認知症の関係を約10年間フォローした研究では、糖尿病を発症していても、活動を続けていれば、認知症の発症が抑えられることも指摘されています。(図3)。また、生きがいを持っている人は、脳病変が進んでも、認知機能が低下しにくいことも明らかになっています(図4)。

認知症と糖尿病 ③認知症と糖尿病 ④

最後に、羽生氏は認知症予防に有望と考えられるものとして、1) 2型糖尿病のコントロール、2) 高血圧と高脂血症の改善、3) 望ましい体重の維持、4) 社会交流と知的な活動、5) 運動の習慣、6) 果実と野菜の多い健康的な食生活、7) 良質な睡眠、8) 禁煙を挙げています。