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「寒くても感染症に負けず元気に過ごそう!~肺炎・インフルエンザ・心疾患~」

ようやく春らしく暖かい日が続くようになってきました。ただ、それでも時々「寒の戻り」や「花冷え」という言葉を思い起こさせるような寒い日もあり、不安定な気候が続きます。季節の変わり目は、体調を崩しやすい注意が必要な時期でもあります。今回は、2019年2月13日に板橋区立文化会館で実施された講演「寒くても感染症に負けず元気に過ごそう!~肺炎・インフルエンザ・心疾患~」に基づいてお話します。

肺炎とインフルエンザ

まず、「冬に気をつけたい感染症‐肺炎とインフルエンザ‐」と題して小金丸 博氏(東京都健康長寿医療センター感染症内科 院長)が講演しました。肺炎とインフルエンザは、冬季に患者数が増加する代表的な感染症です。肺炎は、日本の死亡原因の第5位(平成29年)を占める疾患であり、特に社会の高齢化が進むにつれて、高齢者肺炎の増加は問題となっています。

肺炎の典型的な症状は、咳、痰、発熱などですが、高齢者の肺炎では、典型的な症状が出ない場合が多くあります。何となく元気がない、活動性が落ちている、食欲がない、ボーっとしている等の症状しか見られないことも多いため、注意が必要でしょう。肺炎の予防には、禁煙、適当な運動(1時間以上の定期的なウォーキング等)、口腔ケア(はみがき、食べる時の姿勢、栄養状態の改善によって誤嚥を予防する)等が、有効であることが明らかになっています。

インフルエンザは、国内で年間1,200万人が罹患する感染症です。基本的には自然に治る病気ですが、高齢者では入院になる例も多く、肺炎などを合併すると死亡に至る場合もあります。インフルエンザの感染経路は、主に飛沫感染と接触感染です。予防のためには、咳エチケットや手洗いが大切です。感染した場合には、咳やくしゃみが他の人に直接かからないようにマスク等で口と鼻を防ぐ、ウイルスの付着した手で触れた場所はふき取り清掃をして、家族や周りの人に移さないようにしましょう。

どちらの病気も、100%ではないものの、ワクチンである程度予防したり、罹患した場合の症状を軽くすることができるのが共通の特徴です。肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを両方摂取することで、高齢者の肺炎を減らすことができると考えられています。

ヒートショックと心疾患

続いて、「風邪は万病(心筋梗塞)のもと?」と題して大川 庭煕氏(東京都健康長寿医療センター総合診療科 専門医長)が講演しました。

「寒い季節に心臓が悪くなって入院した」という話を身近なところでお聞きになったことはないでしょうか。冬の屋内外、室内と浴室/トイレなどでの急激な温度変化によって血圧が変動したり、心筋梗塞などを引き起こすことを「ヒートショック」と言います。ヒートショックは温度差が体に与える負担で、高齢者では、血圧の上昇による心筋梗塞、致命的な不整脈、脳梗塞や脳出血などを引き起こしやすくなっています。反対に、血圧が低下することでめまいやふらつきが起きやすくなります。寒い時期に血管の事故が増加するのは、このことが原因と言えるでしょう。

ヒートショックは、特に入浴の際に起きやすいことが知られています。ヒートショックを避けるためにも、入浴の際は、①長湯しない、②脱衣所と浴室の温度差をなくす、 ③食事直後に入浴しない、④早い時間に入浴する ことを心がけることが大切だと大川氏は指摘します。

風邪と動脈硬化

「風邪は万病のもと」とよく言いますが、風邪はいろいろな重い病気の原因になるため、たかが風邪と侮ってはいけないという戒めです。実は、近年、感染症が動脈硬化を進行させるという報告や、インフルエンザは心筋梗塞のリスクを上昇させるという報告もあります。「たかが風邪」と侮らずに、体調の不良を感じたらしっかり治すようにしましょう。また、ビタミンCの不足によって、老化が加速するため、日頃の食生活でビタミンCをしっかり補給することも心掛けることも大切です。