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「がん」と上手に付き合うためのヒント(2)

前回に引き続き、2018年2月5日(月)に実施された第149回老年学・老年医学公開講座(東京都健康長寿医療センター)「がんになっても寿命をまっとうできる時代がきた」に基づいてお話します。2回目の今回は、落合 康利氏(慶應義塾大学医学部 腫瘍センター助教)の講演をご紹介します。

消化器がんのリスクと予防

消化管の早期がんは、基本的には症状がでません。がんを早期のうちに発見するためには、リスクが高い方は定期的な検査を受ける必要があります。食道がんは、40歳代後半以降に増加し、男性に多く認められます。予防するためには、喫煙と飲酒を適量にすることが大切です。緑黄色野菜や果物に多く含まれるβカロチンやビタミンCをとるとよいと言われています。胃がんは、胃粘膜に感染するヘリコバクターピロリ菌によって慢性胃炎になるとリスクが上がると言われています。また、塩分の取りすぎによってもリスクが上がると言われており、漬物・みそ汁などを多く摂取する東北地方と塩分摂取の少ない九州・沖縄を比べると約3倍と言われています。また、大腸がんは肥満、飲酒や肉食がリスクを上げると言われます。大腸がんは、50歳代から増加し始め、高齢になるほどリスクは高くなります。予防のためには、運動が効果的だと言われます。

早期がんと進行がん

食道・胃・大腸などの消化管壁は、ケーキのような層構造になっています。がんは粘膜から発症し、徐々に深部に進展していきます。一般的には早期がんは適切な治療を行うことで予後が良く、進行がんでは転移再発のリスクが高くなります。がんの進行は、ステージによってI~IV期に分けられます。大きさではなく、消化管壁の内にがんがどの程度深く入り込んでいるか、周囲組織への広がりの程度、転移の有無によって決まります。

消化管における早期がんの内視鏡治療

早期がんで内視鏡治療の適応となるのは、リンパ節転移の可能性がほとんどなく、かつ、がんがひとかたまりで取り切れる大きさと部位にある場合になります。内視鏡的切除により治癒が得られた場合には、基本的には治療部位の再発のリスクは極めて低いと思われます。しかし、ほかの部位に時間をおいて別のがんができることがあるため、定期検査は受けたほうが良いと落合氏は指摘します。

がんも早い段階で見つけることができれば、いくつかの治療選択肢の中から自分の希望の治療が受けられるかもしれません。体に負担の少ない治療を選択することができれば、そのあとの生活習慣の変更も最小限ですむと考えられるでしょう。