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COPD(慢性閉塞性肺疾患)

近年、耳にすることが多くなったCOPD(慢性閉塞性肺疾患)。以前は「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気です。2018年1月16日に「健康セミナー COPD(慢性閉塞性肺疾患)」(東京衛生病院 内科 倉澤聡氏)が実施されました。今回は、このセミナーを元にCOPDについてお話しします。

COPDとは

COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期にわたって吸い込むことで生じた肺の炎症性疾患で、空気の通り道である気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。その結果、空気の出し入れが困難になることによって、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起きます。主な症状はせき、たん、息切れが挙げられ、階段の上り下りで息切れがしたり、咳や痰がでたり、呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューがある、などが見られます。呼吸機能と症状、運動能力、依存症の有無、憎悪(悪化)の頻度などから重症度が判定されます。

取り残された生活習慣病

米国における統計では、冠動脈疾患、脳血管障害など、様々な生活習慣病が減少傾向にある中で、COPDのみが増加傾向にあります。日本でも例外ではなく、2000年に国内で行われた調査では、40歳以上の男女のうち8.6%の人がCOPDの疑いがあることがわかりました。COPDは日本での死亡原因の第10位であり、患者数は530万人以上と推定されます(厚生労働省、2011年)。しかし、治療者数は22万人にとどまり、患者は多いのに治療を受けている人は少なく、「取り残された生活習慣病」とも言われています

治療と管理

COPDの最も大きな原因とされるのがタバコで、COPDは別名「タバコ病」とも言われます。患者の90%以上が喫煙者であることからも、このことは明らかでしょう。受動喫煙によってもCOPDを発症してしまうことがあります。そのため、COPDの治療の第一歩は禁煙です。禁煙が難しい場合は、病院の禁煙外来などを積極的に利用するとよいでしょう。COPDの治療は、重症度に応じて薬物治療と呼吸リハビリテーション(運動療法、栄養管理)などを行います。薬物療法では、症状やQOL(生活の質)の改善、進行の抑制、合併症や併存症の予防を目的とします。また、呼吸リハビリテーションでは、可能な限り機能を維持、回復させて、患者の自立を支援することを目的とします。筋力トレーニングを行い、ウォーキングなどを日常生活に組み込むようにします。また、体重減少があると呼吸不全への進行や死亡リスクが高いため、筋力増強のための高カロリー食、高たんぱく食の摂取などが指導されます。

COPDをそのまま放置してしまうと、肺がん、動脈硬化、骨粗鬆症、消化器系疾患等、さまざまな病気の原因となってしまいます。COPDの疑いがあるかどうかは、肺機能検査で診断することができます。息切れなどの自覚症状が現れた場合は、早いうちに病院を受診して検査を行うことが重要です。また、COPD予防のためには、タバコの煙に肺をさらさない、異常が見つかったらきちんと治療を受ける、ウォーキングなどの適度な運動によって呼吸筋を鍛えることを心掛けましょう。