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健康長寿に必要なビタミン

「ビタミン」という言葉は、日頃耳にする機会も多いかと思います。ビタミンが不足すると、体がうまく働きません。ビタミンの不足は病気に結びつくことから健康長寿の大敵と言えるでしょう。2017年11月29日に北とぴあさくらホールで東京都健康長寿医療センター主催の「健康長寿に必要なビタミン」の講演が実施されました。今回は同講演を基に、ビタミンがどのような働きをしているのか、不足するとどうなるか、健康長寿との結びつきは、ということについて考えます。

ビタミンDで転倒予防

まず、鈴木隆雄氏(老年学総合研究所所長)が、ビタミンDについて講演しました。ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、ヒトでは食事からの摂取または皮膚での紫外線による合成によって体内につくられます。この中でも特にビタミンD3は「活性型ビタミンD」としてカルシウム代謝に関与しており、血中のカルシウム濃度を上昇させる働きを持っています。そのため、ビタミンDが不足すると、骨粗鬆症、サルコペニアや転倒、骨折などのリスクが高くなってしまいます。また、最近の研究では、ビタミンD3の濃度がカルシウム吸収を中心とする骨代謝に関与するだけでなく、循環器疾患や2型糖尿病、上気道感染、自己免疫疾患、結腸癌をはじめとする悪性腫瘍等、さまざまな疾患に関与していることが明らかにされています。

ビタミンD濃度を規定する要因は、食事からのビタミンDの摂取と、太陽光に含まれる紫外線照射によるものの2つが知られています。そのため、血中のビタミンD濃度を維持するためには、食品からの摂取と適切な日光浴が必要になります。ビタミンD3(動物性)を多く含む食品には、鮭、にしん、イワシなどの脂肪の多い魚類が挙げられます。また、ビタミンDの生成は日光浴の大きな効果の1つですが、一方で紫外線の浴び過ぎは日焼けや白内障などの有害性も報告されています。少しずつ、適度な日光浴を心掛けるといいでしょう。

ビタミンC

石神昭人氏(東京都健康長寿医療センター研究所 老化制御研究チーム研究部長)が「ビタミンCの不足は老化を加速」と題して講演しました。私達人間は、ビタミンCを体の中でつくることができません。そのため、毎日の食事からビタミンCを摂取しなければ、やがてビタミンC欠乏状態に陥り、様々な体の不調が生じます。ビタミンC欠乏症は壊血病と呼ばれ、初期に皮膚の乾燥や脱力感、うつ状態がよく見られます。さらに症状が進と、歯ぐき、消化管、粘膜からも出血が見られ、やがて死に至ります。また、ビタミンCが長期的に不足すると臓器の萎縮などの老化が加速し、寿命が短くなることがマウスの実験でも明らかになっています。

日本では、食べ物が豊富にあるため、ビタミンCが不足している人はいないと思われがちですが、実は多いのではないかと予測されています。なぜなら、高齢になるにつれて血液中のビタミンC濃度が減少することが報告されているからです。加齢に伴う血液中ビタミンC濃度の減少は、老化に伴う腸管からのビタミンCの吸収能力の低下、ビタミンCの体内保持能力の低下、あるいはビタミンCの体内消費量の増加が原因であると考えられます。

では、どのような食材からビタミンCを摂取したらよいのでしょうか?真っ先に思い浮かぶのはレモンなどの酸味のあるフルーツではないでしょうか。しかし、意外にもこれらのビタミン含有量は多くありません。フルーツ以外には緑茶や焼き海苔、赤ピーマンや芽キャベツがあります。また、お勧めの食材の1つはジャガイモです。ジャガイモのビタミンC含有量はそれほど多くはありませんが、ジャガイモは茹でても中に含まれているデンプンがビタミンCを保護してくれるため、分解を防いでくれます。以下に、ビタミンCを多く含む食品の一覧表を掲載するので参考にしてみてください。

ビタミン含有量

(五訂増補日本食品標準成分表より)

厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、ビタミンCの1日推奨量は100mgですが、これは壊血病を防ぎ、生活習慣病を予防するのにギリギリの量です。そのため、ビタミンCの効果を発揮するためにはおよそその10倍の1gぐらいが必要です。たとえ、毎日1gのビタミンCを摂取したとしても、過剰なビタミンは速やかに尿から排出されるため、副作用はありません。新鮮な野菜や果物、緑茶などからビタミンCを十分に摂取するよう、日頃から心掛ける必要があります。