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健康長寿を支える口腔機能

健康長寿に大きく関わるのが日々の食事です。そして、「かむ」「飲む」といった口腔機能は、私たちにとって重要な日々の食事を支えています。今回は、健康長寿と口腔機能についてお話しします。

健康長寿の疫学研究 

2016年5月31日に第142回老年学・老年医学公開講座が練馬文化センターで開催されました。この中で、本川佳子氏(東京都健康長寿医療センター研究所 研究員)が、「健康長寿を支える口腔機能~おいしく、楽しく食べるために~」と題して講演しました。本川氏は、講演の中で加齢による咀嚼機能や嚥下機能の低下を放っておくと、食欲や食事量の低下につながり、体重減少、低栄養といった栄養障害を引き起こしてしまうと指摘しています。

口腔機能と食品・栄養の関係 

高齢者を対象にしたかむ力と食品・栄養の関係を調べたところ、「かめない」人のグループでは、「よくかめる」人のグループよりもエネルギー、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの摂取量が5~10%低くなっていることがわかりました。「かめない」ことによってかみごたえの高い食品を避ける生活習慣が続くと、メニューが偏りがちになり、必要な栄養素が欠乏する可能性が出てきます。また、かむ力は使わなければ弱ってしまうため、やわらかいものばかりでなく、無理のない程度でかみごたえのある食品を食べることが大切です。そのため、高齢期では歯をケアして「かむ」力を維持し、様々な食品を食べる工夫が必要です。

口腔機能のチェックと改善 

口の健康は、歯の本数だけではなく、食べる機能が維持できているかというチェックが必要です。いろいろな食材をかんで食べられるか、あまりかめないために食べられるものが限られるか、ご自身の咀嚼力をチェックしてみましょう。また、嚥下機能も大切です。嚥下機能が低下すると、誤嚥や食事を詰まらせる危険性も高くなります。そのための目安として「30秒間で2回以上つばをのみこめるか」というのが目安になると本川氏は述べています。

本川氏は、日常生活でできる口腔機能維持のポイントを、以下のようにまとめています。①歯をケアする、②抜けた部分は放置しない、③定期的に歯科検診を受ける、④よくかむことを心がける、の4点です。口腔機能を維持し、楽しく食べつつ健康長寿を目指すことが大切と言えるでしょう。