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アメリカで話題、プラントベースのホールフード

アメリカでは肉や乳製品の過食による肥満が原因で、心臓病や動脈硬化症などの発症が多いことから、穀菜食への関心が高まっています。今回は、アメリカで話題のプラントベース(植物性)のホールフード(未精製食品)についてご紹介します。

クリントン元アメリカ大統領、二度の心臓発作を克服 

2011年5月、アメリカとカナダで公開された、あるドキュメンタリー映画が話題を呼びました。映画の題名は『フォークス・オーバー・ナイブズ』。フォークス・オーバー・ナイブズとは「食事は手術に勝る」という意味です。『タイタニック』や『アバター』など、ハリウッドの大ヒットメーカーであるジェームズ・キャメロン監督は、この映画を観て、「すぐにキッチンの動物性食品を片付けた。以来5カ月半、ずっと菜食を続けている」と語ったといいます。映画では、栄養生化学の分野でアメリカのアインシュタインと称されるT・コリン・キャンベル博士と医学博士のコールドウェル・B・エセルスティン博士がプラントベースのホールフードを摂ることで、病気を克服していく人々の様子を描いています。プラントベースでホールフードの食事の特徴は、野菜や果物、穀物、豆類、木の実などを精製加工せずそのまま丸ごと食べること。これはベジタリアン(菜食主義)のなかでも、肉や乳製品などの動物性食品を一切摂らない、ビーガンと呼ばれるものに相当します。実はクリントン元アメリカ大統領は心臓発作を二度起こしていますが、食事をプラントベースのホールフードに切り替えたことから、体重が11キロ減り、心臓発作が再発しない体になったといいます。それをCNNなど主要メディアが報じ、全米で話題となりました。

WHO(世界保健機構)やFAO(国際連合食糧農業機関)も推奨 

2014年10月5日(土)、大井町きゅりあん大ホールで、日本ナチュラル・ハイジーン普及協会会長で、アメリカヒューストン在住の松田麻美子氏が、「スリムで病気にならない体づくりを可能にする究極の健康戦略~ナチュラル・ハイジーンの知恵とは」と題して講演しました。松田氏は、2006年に全米で大ベストセラーとなった、先述のT・コリン・キャンベル博士著『チャイナ・スタディ』(邦訳『葬られた第二のマクガバン報告』)の訳者としても知られ、日本で数多くの講演を行っています。ナチュラル・ハイジーンとは、「ナチュラル(自然)」と「ハイジーン(衛生、清潔)」を組み合わせた言葉で、「健康および健康維持のための科学」の意。1830年代、アメリカの高名な医師らによって系統づけられた健康科学理論です。アメリカでは、クリントン元アメリカ大統領のようにプラントベースでホールフードの食事を摂る人々が増えており、それが身体に良いことは、WHO(世界保健機構)やFAO(国際連合食糧農業機関)でも認めていると松田氏は述べています。

植物性食品にはタンパク質も多く含まれている 

ただ、野菜や果物、穀物中心の食事だと十分なタンパク質が摂れないのでは、という指摘もあります。しかし、大豆などの植物からもタンパク質は十分摂取できます。あまり知られていませんが、ブロッコリーには赤身の肉よりも多くのタンパク質が含まれています。現在、アメリカで1日に必要なタンパク質の摂取量として推奨されているのは総カロリーの8~9%です。これが10%を超えるとさまざまな疾病のリスクが高まるとされていますが、アメリカ人はタンパク質を総カロリーの18%摂っていると指摘されています。

今アメリカで「Plantrician」を名乗る医師が登場 

プラントベースでホールフードの食事は、がんや心臓病、脳卒中、糖尿病などさまざまな慢性病の対策に有益、安全かつ経済的で、医療費を大きく削減できると松田氏は述べています。今、アメリカでは「Plantrician(プラントリシャン)」を名乗る医師が登場しています。これは、Plant=植物、Nutrition=栄養、Physician=医師の3つの単語から成る言葉で、「プラントベース&ホールフードの栄養を熟知し、活かしている医師」を意味します。現在、アメリカでは、医療と食習慣で大きな変革が起きつつあり、「手術よりも正しい食事」という考え方が広まりつつあるといいます。