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和食のメリットとデメリット

現在、日本人の平均寿命は男女平均で世界第一位です。日本人の長寿体質をもたらした和食は世界から注目されていますが、一方で塩分過多やカルシウム不足という問題が指摘されています。今回は和食のメリットとデメリットについてご紹介します。

日本人は先進国の中で心臓病による死亡率が低い 

WHOの最新データによると、日本人女性の平均寿命は87歳で世界第一位です。男性は8位とはいえ、80歳を越えており、男女平均では84歳でやはり世界一です。しかし、日本人の健康寿命は平均寿命より10年も短く、人生の最後に寝たきりで過ごす高齢者が圧倒的に多いことが問題となっています。

2014年8月22日(金)、パシフィコ横浜で、「第61回日本栄養改善学会学術総会市民公開講座」が開催され、武庫川女子大学 国際健康開発研究所 所長 家森 幸男氏が、和食の健康効果について講演しました。家森氏らはWHOの協力を得ながら世界の長寿地域と短命地域60ヵ所以上で、それぞれの食生活の違い、また長寿の日本人がどのような食事をしてきたか、など多角的に研究してきました。調査から、日本人は先進国の中で心臓病による死亡率が低く、このことが長寿の一因となっていることが分かりました。これは和食による影響が大きいのではないかと家森氏は指摘します。

ナトリウムの摂取量が多いと脳卒中を発症しやすい 

この調査では特殊な容器に人の尿を24時間ストックし、食事内容を解析しました。例えば、マサイ族は高血圧が極めて少ないといわれますが、実際に尿中のナトリウムは平均して2.5g程度しか含まれていないことが分かりました。これは、マサイ族が食塩そのものを摂らず、ナトリウムをチーズなど食品に含まれるものからしか摂らないためです。逆にチベットでは高血圧の人が多く、尿検査すると、ナトリウムが平均16gと多く検出されています。これはチベットでは塩漬けの保存食品を食べることが多いためです。同じく日本国内の調査でも、薄味の沖縄の人の尿と塩蔵食品を多く摂る東北の人の尿を比べると、ナトリウムの排泄量で大きな差があり、東北の人の方が脳梗塞の発症率が高いことが分かります。

このように、世界60地域の調査で、食塩(ナトリウム)の摂取量が多いと高血圧の傾向が強く、さらにそのような地域では脳卒中を発症しやすいことが明らかになっています。WHOも食塩を減らすと平均寿命が伸びるということをコメントしており、塩分濃度が高めな和食を好む日本人にとって、減塩は重要な課題となっています。

米に、コレステロール値上昇抑制や肥満予防作用 

また、脳卒中に続いて寿命に大きく関わる疾病に心筋梗塞があります。ロシアでは心筋梗塞で亡くなる人が多く、平均寿命を縮める大きな要因となっています。尿を解析すると、コレステロール値が高いことが分かります。他の地域を調査した結果からも、コレステロール値が高くなると心筋梗塞の発症率が高くなるのは明らかで、日本人の平均寿命が長いのは心筋梗塞の発症率が先進国の中で低いためで、それは米食による効果と考えられます。というのも、他にもお米を主食とする東南アジアを中心とした地域では、やはりコレステロール値が低いことから、米にはコレステロール値上昇の抑制作用や肥満予防作用があるのではないかと現在も研究が行われています。

塩分の過剰摂取とカルシウムの慢性不足が和食のデメリット 

日本人の健康寿命が短いのは、脳卒中と骨粗鬆症によるものが大きく、これは塩分の過剰摂取と慢性的なカルシウム不足が原因です。これが和食のデメリットと言えるでしょう。この2つのデメリットを補うのが大豆とヨーグルトで、上手に利用すると脳卒中や骨粗鬆症の予防や、がんリスクの低減につながり、健康寿命を延ばすことができるのではないかと家森氏は述べています。