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高血圧と上手に付き合う方法

加齢に伴い、とかく身体の不調のサインとして気にかかるのが血圧です。今回は、高血圧を防ぐ食事や日頃の対処法についてご紹介します。

世界で3人に1人が高血圧症を発症 

世界では3人に1人が高血圧を発症しており、そのほとんどが症状に気づかないか放置しているため、適切な処置が行われずに毎年900万人が亡くなっているといわれています。年齢を重ねるとともに血圧も上がりがちですが、私たちは高血圧にどのように対処すればいいのでしょうか。

2014年4月7日(月)ヤクルトホールで、第35回健康づくり提唱のつどい「高血圧予防の健康な食事~美味しい減塩食のすすめ」が開催されました。この中で、土橋 卓也氏(製鉄記念八幡病院副院長・高血圧センター長)が「高血圧と上手に付き合う」と題して講演しました。

脳卒中のリスクが高まる 

高血圧は、最大値140mmHg、最小値90mmHgが目安となっています。そもそも血圧は加齢とともに上昇するのが普通で、60歳を過ぎると上の血圧は上昇傾向に、下の血圧は下降傾向になり、上下の差が開いていくのは自然なことといわれています。そのため、高血圧というのは加齢現象であり、病気とはいえないのではないか?という声もよく聞かれます。しかし、それは間違いであると土橋氏は指摘しています。60歳以上の男女では、血圧の上昇に伴い脳卒中のリスクもかなり高まります。脳卒中だけではありません。近年は高血圧が認知症やロコモティブシンドロームのリスク因子になっていることが明らになっています。

高血圧改善のためのポイント 

高血圧になった場合、どう対処すればいいのでしょうか。例えば、高血圧と診断されても途中で治療を中断してしまう場合が多くありますが、その原因の1つに、一生薬を飲み続けることへの負担があるようです。そこで、最初から薬による治療を勧めるのではなく、まず食生活を含めた生活習慣の改善を提案することが有効と考えられます。改善内容というのは、減塩(1日6g未満)、野菜・果物の積極的摂取、減量、1日30 分以上の運動、禁煙と節酒、などです。例えば、塩分を1g減らすと血圧は約1mmHg低下します。このような生活習慣を改善している間も、家庭での血圧測定は必須です。状況によって血圧は変化しますので、家庭と病院とで計った両方の血圧から判断しないと、医師は患者に対して本当に適切な薬を提供することができません。血圧の計測では、病院での血圧より家庭での血圧が重視されます。

 減塩に成功しているのは8人に1人 

日頃の食事では、やはり減塩を心がけるべきですが、減塩に成功している人は8人に1人程度の割合と言われています。減塩が難しい理由として考えられるのが、食べ過ぎやそれまでの食習慣です。料理を減塩にしたからといっても、食べ過ぎてしまえば結果として塩分の総摂取量は多くなってしまいます。また、子どもの頃から減塩の食事をしていないと濃い味に慣れてしまうため、大人になってからでは難しいということがいえます。実際に、3歳児ですでに1日4.4gの食塩を摂取しているというデータもありますが、これは体の大きさに対しては摂り過ぎで、減塩の食育が必要であると土橋氏は指摘しています。「要介護認定5」を受けている3人に1人が「脳血管疾患」で、高血圧絡みの疾患が原因といわれています。中年期であっても血圧の管理を怠ると認知症になりやすいという報告もあります。そのため、日頃から血圧と上手に付き合っていくことが必要でしょう。