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がんを遠ざける生活習慣

現在、日本では3人に1人ががんで亡くなっています。がんになる確率は老化とともに高まるといわれますが、老化は日々の食生活や生活習慣と深く関係しています。今回は、がんを遠ざける生活習慣についてご紹介いたします。 

がんの発生率、地域や民族で異なる 

「がんになる確率は加齢と比例する」といわれ、がんは老化現象の一つと捉えることができます。ただ、老いは誰しも避けることができませんが、がんについてはどうでしょうか。

2013年11月5日(火)、東京大学・医学研究室講堂で国立がん研究センターの津金 昌一郎氏が、「生活習慣とがん~疫学研究がもたらす確かな予防法」と題して講演しました。津金氏はがん予防の疫学研究を行っていますが、今回は津金氏の講演を基に、がんと生活習慣の関係についてお話しします。 

がんは生活習慣と密接に関係していることが明らかになっています。生活習慣は地域や民族により異なりますが、それらの特徴から発生しやすいがんが分かるそうです。例えば、日本では食の欧米化が進んだことにより大腸がんや乳がん、前立腺がんが増えた一方で、胃がんが減りました。また、欧米では禁煙が厳しく叫ばれるようになって20年が経過しますが、そうした背景から肺がんが減少しています。このように、大勢の人の生活習慣を調べ、長期に亘ってがんの発生を追跡調査すると、食事や生活習慣の違いで、どのようながんが発生しやすいかが分かります。そのため、生活習慣の改善でがんになる確率を下げることは十分可能であると津金氏は述べています。 

がん予防は国民の義務 

ところで2007年に「がん対策基本法」が施行されました。この法律の第6条では、「国民は、喫煙、食生活、運動、その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等、がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うように努めるとともに、必要に応じ、がん検診を受けるよう努めなければならない」と規定されています。このことは国民にあまり知られていないようですが、この法律では、がんを予防する行為は国民の義務となっています。そのため、若いうちから必要ながん検診を受けて早期発見に努めること、またがんにならないような生活習慣により、日頃からがん予防を心がけることが大切です。 

疫学研究で明らかとなっている「発がん要因」

では、がんを遠ざける生活習慣とはどのようなものでしょうか?がんを生活習慣で予防することの重要性は、少しずつ認知されるようになってきていますが、疫学研究の観点から効果的でないものも少なからずあります。そのため、情報をきちんと選択し、正しい知識で予防を実践することが大切です。現在の疫学研究で明らかになっている「発がん要因」として、以下のことを挙げられています。

 1. タバコを吸う。

2. 自分ではタバコを吸わないが、副流煙に毎日さらされる環境にいる。

3. お酒を毎日2合以上飲む。あるいは週に14合以上飲む。

4. あまり運動をしない。

5. 太り気味、あるいは、やせ気味である。 

以上のいずれかが当てはまると、「発がん要因」を抱えているということになります。言い換えると、これまでの疫学研究で明らかになっている正しくがんを予防する生活習慣とは、「禁煙(副流煙を避ける)」「飲酒は適量に」「適度な運動」「適正体重を維持」、この4つということになります。 

また、食生活については以下のいずれかが当てはまるとがんになりやすいといえるそうです。

 1. 塩分の過剰摂取(塩辛、イクラなどの塩蔵食品を食べ過ぎる)。

2. 野菜や果物をほとんど食べない。

3. ハムやソーセージなどの加工肉や牛・豚・羊などの赤味肉をたくさん食べる。

4. 熱い飲食物を好んで摂取する。

以上の4つは、直接的にがんを引き起こすわけではありませんが、胃や腸の粘膜や細胞を傷つけたり、負荷をかけやすいため、できるだけ避けた方がよいと考えらます。つまり、成人を過ぎたら、太りすぎず痩せすぎず適正体重を維持する、食事は偏りなくいろいろな食材を過不足なく食べる、適度な運動をする、これらが疫学研究で明らかになっている、がんを遠ざける好ましい生活習慣なのです。