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超高齢化、100歳長寿の秘訣

超高齢化時代を迎えた日本。2015年には団塊の世代が65歳以上になるといわれています。いつまでも元気なままで年を重ねたいというのが多くの人々の願いです。今回は聖路加国際病院理事長の日野原重明氏の講演から100歳長寿の秘訣をご紹介いたします。

長寿の秘訣:その1~目標を持つ

日本は超高齢化時代を迎えつつあります。団塊の世代が2015年には65歳以上になりますが、厚生労働省の統計では、2025年には高齢者人口が3500万人に、つまり3人に1人が65歳以上になります。

現在日本には4万9000人を超える100歳以上の高齢者がいます。そのうちの8割は女性です。ただ、その半数が寝たきりといわれています。

2011年10月に、日野原氏自身も100歳の誕生日を迎えました。日野原氏は120万部を超える大ベストセラー『生き方上手』で一躍有名になりました。もちろん寝たきりという言葉にはほど遠く、日々の業務や講演を精力的にこなしています。

2012年1月21日(土)、日本総合健診医学会第40回大会が東京国際フォーラムで開催され、この中で、日野原氏が「百歳からの健康メッセージ~私の健康法~」と題して講演しました。講演は60分以上にわたりましたが、全て立ったままで、水も飲まず、聞き取りやすい大きな声で、冗談を交えながらの流暢なお話しでした。

日野原氏のスケジュールはすでに2~3年先まで埋まっているそうです。当面の目標は、110歳まで現在のような生活(講演や執筆、診療などの仕事を中心とした生活)を続けていくということです。

とはいえ、やみくもに予定を入れるのではなく、残された時間を神様から与えられた価値ある時間と自覚し、「もし自分に長生きが許されるのであれば何をすべきか?」といつも自問自答しているといいます。

日野原氏が愛用している「10年日記」には、3年先、5年先、10年先に自身が成すべきことが、神様との契り(コミットメント)として書き込まれています。この「契り」は命がある限り、決して変更したり取り消すことのできない最重要のものだけにしているそうです。

自分との約束、あるいは神様との約束ともいえる「契り」を達成することが生き甲斐であり、そのためにも、長寿をもたらす食生活や運動、睡眠を心がけているといいます。

長寿の秘訣:その2~適度の運動

日野原氏はふだんの生活では車での移動が多いため、運動不足になりがちです。そのため、院内では極力エレベーターを使わないようにしています。

歩き方も足の裏をかかとからしっかり着地させ、背筋を伸ばし、地面を蹴るように力強く歩くことなど常に意識しています。
また、動く時も、漫然なだらだらとしたものではなく、それが「運動」となるように意識的に動くといいます。

長寿の秘訣:その3~食生活

日野原氏はふだん運動をしないことから、食事は1300キロカロリー、多くても1400キロカロリーしか必要ないと考えています。そのため、高カロリーで過剰に摂りがちな糖質とでんぷん質は制限しています。体力維持に必要なタンパク質は脂肪の少ない肉や豆腐で摂り、ビタミンは長寿に効果的なビタミンB群を摂るようにしています。

基本的に、1日の中では夕食がメインで、朝は野菜ジュース、昼は牛乳にビスケット程度しか摂りませんが、ほとんど空腹を感じることはないといいます。運動量が少ないことと、仕事に集中している時間が長いため空腹を感じにくいのではないか、と自己分析しています。

とはいえ、食生活については年齢とともに必要な食品やカロリーが異なります。日野原氏自身、以前は身長が168センチでしたが、現在は160センチで、加齢とともに体型も変わりました。そのため、その時々にベストな「食」を心がけ、常に30歳の時の体重とウエストの維持を目標に、体重が増えても1割までとコントロールしているといいます。

長寿の秘訣:その4~呼吸法とうつぶせ睡眠

日野原氏は呼吸法も重視しています。とくに肺機能を日頃から高めておくことは、感染症や肺炎などの予防にも繋がります。ふだんの生活では呼吸を意識し、階段を使う時は、お腹でしっかり息を吐き切るなどしています。

また、呼吸は腹式呼吸が健康に良いとされていますが、それにはうつぶせ寝が最適であると日野原氏はいいます。
一般的に人間以外の脊椎動物はすべてうつぶせで睡眠をとるそうです。仰向けで寝るより、うつぶせ寝で腹式呼吸を行うほうが胃腸の運動が円滑になり、朝の排尿や排便がスムーズになります。そのことを日野原氏は数十年前に知り、以来うつぶせ寝での腹式呼吸を実践しているといいます。

理想的なうつぶせ寝はというと、へそのあたりに幅の広い枕を置き、その上にうつぶせで寝ます。枕は薄い羽毛のものを使い、頭は15度くらい左右どちらかに傾けます。そして、耳と側頭部を枕にあて、お腹を真下に、両足は少し曲げ、両腕も少し曲げて上げます。これで、熟睡ができて4~5時間の睡眠でも足りるといいます。

100歳はゴールではない

いずれにせよ、75歳以上の食事・運動・睡眠の目安といった統計は今のところ無く、厚生労働省も発表していません。そのため、日野原氏は自身がモデルとなるよう日々試行錯誤し、研究してきました。健康を保つために体温計や血圧計、そして体重計で毎日チェックし、定期的に医療検診を受け、病気を未然に予防し続けてきたことが非常に良かったと日野原氏はいいます。

最後に2年前からはじめたばかりという次の俳句を読んで講演をまとめました。
「100歳はゴールじゃなくて関所だよ」