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長寿は腸から、米ケフィラン

世界の長寿地域における数々の疫学研究から、長寿と腸との関係が明らかになりつつあります。腸内には100種類100兆匹の菌が棲息するといわれています。大和薬品ではこの腸内細菌に着目し、腸内の有用菌を効率的に増やす「米ケフィラン」を開発し、研究データの蓄積を行ってきました。今回は米ケフィランの開発経緯や花粉症への有用性をご紹介します。

コーカサス地方、長寿の秘訣は発酵乳ケフィア

黒海とカスピ海に挟まれた、ヨーロッパの南に位置するコーカサス地方。ここは100歳以上のお年寄りが多く住む、世界有数の長寿地帯としてよく知られています。

この地域に住む人々の長寿の秘訣を探るためにこれまで多くの疫学調査が行われてきました。そこで明らかになったことは、住民の多くが発酵乳ケフィアを普段から積極的に摂っているということです。

発酵乳ケフィアはヤギの皮袋に牛乳や羊乳を入れ、ケフィアの素であるケフィア粒を加え、数日間発酵させて作ります。そうした過程で生じる炭酸の独特の風味が人々に好まれています。また、腸内環境の改善や免疫強化などの有用性で、健康飲料としても世界的に評価が高まっています。

発酵乳ケフィアは、東欧や旧ソビエト連邦の国々で年間120万トンが生産されています。しかし、日本での健康食品としての販売となると、いろいろと問題がありました。アルコールが入っている、保存中に炭酸ガスが生じる、日本人の嗜好に合わない、そうしたことが普及の足かせとなっていました。

乳酸菌L.kefiranofaciensを米で培養

そこで、大和薬品ではケフィアの嗜好を改善し、機能性は強化するという方向で日本人に合った新たな食品素材としての開発を進めました。これは農林水産省の助成事業(糖質工学を応用した炭水化物の多面的利用技術の開発事業)の一つとしても注目されました。

日本人の伝統食である米と乳酸菌の相性が良いことは、寿司の原型といわれる鮒すし等の「なれ寿司」をみてもわかります。そのため、ケフィアから分離された乳酸菌L.kefiranofaciensをやぎ乳や牛乳ではなく、米で培養・濃縮させることに着目しました。

とはいえ、乳酸菌L.kefiranofaciensを米で培養する技術はこれまで確立されていません。そこで、乳酸菌研究の世界的権威である光岡知足氏(東京大学名誉教授)に指導を仰ぎ、およそ8年の歳月をかけ効率的生産技術を確立させました。

こうして、コーカサス地方の発酵乳ケフィアがそれ以上の機能性を有する、新たな食品素材「米ケフィラン」として生まれ変わったのです。

「米ケフィラン」の特徴としては、1) 粘質多糖ケフィランが高濃度に含有、2) 米成分による乳酸醗酵物であるため本来のケフィランより低脂質、3) 純粋なホモ乳酸醗酵物で炭酸やアルコールを含まない、4) 米に由来するアミノ酸関連物質が多く含まれている、などです。

花粉症対策に有用

「米ケフィラン」の機能性については、抗動脈硬化、血糖降下、整腸、腸内環境改善、肝機能改善、などがこれまでに明らかになっています。
また、抗アレルギー作用も確認されています。今回は、花粉症への有用性を報告いたします。

現在、国民の2人に1人が花粉症予備軍といわれています。まさに国民病といっていいほどの増え方で、発症年齢の若年化も指摘されています。ただ、薬剤使用については、特に乳幼児の場合、抗ヒスタミン薬は副作用が懸念されるため、やはり食生活での予防・改善が望ましいといえます。

実験では、20代~60代の花粉症の男女7名を2グループにわけ、「米ケフィラン」500mgと乳酸菌を主とした混合サンプルを1日に1,5g摂ってもらい、8週間観察しました。一つのグループは前半の4週間、もう一つのグループは後半の4週間摂りました。その結果、どちらのグループも「米ケフィラン」+混合サンプルを摂取していた時の方が、摂取していない時と比べ、花粉症状が軽減していることが分かりました。

世界でも有数の長寿地域であるコーカサス地方。その伝統食である発酵乳ケフィアが、日本の米と融合し、新機能性食材「米ケフィラン」として誕生しました。今後、さらに多くの人々の健康維持に役立つことが期待されています。