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酵素のはたらき

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酵素のヒーリング効果

酵素は、体内の多岐にわたる生化学的反応を加速させる触媒です。酵素がなければ、体内における反応の大部分が遅くなってしまい、生命を維持することができないでしょう。酵素はこのような反応のスピードを数百万倍以上も加速します。つまり、酵素がなければ何年もかかるような反応も、適切な酵素があれば数分の1秒で処理されるのです。研究では、自然に生成される酵素の量は20歳で減少し始めることが明らかになっています。また、体が酵素を生成する能力は10年ごとに13%ずつ減少することも示唆されています。つまり、40歳のときには、酵素を生成する能力が子供の頃の25%以上も低下し、70歳のときには、必要な酵素量の1/3しか体内で生成することができないのです!

タンパク分解酵素は、たんぱく質を分解する酵素です。この酵素の一部は炎症を抑え、血栓を防ぎ、瘢痕組織の形成を阻止し、腫瘍の破壊を開始することができる重要な物質です。また、抗ウイルス効果もあります。急性の損傷や関節炎のような慢性疾患による疼痛は、免疫系が死んでいる組織を分解しようとして生じる炎症によるものです。免疫系は、そのために膵臓が生成する酵素を使用します。食品由来の酵素をより多く摂取することによって、このプロセスは加速することがあります。酵素は、腫れや損傷によって死んだ細胞の代謝を妨げる障害を破壊して除去します。

ほとんどのたんぱく質分解酵素には、ノニ、パイナップル由来のブロメラインとパパイヤ由来のパパインが含まれています。パンクレアチンは羊や豚の膵臓由来で、ナットウキナーゼは発酵した大豆由来です。

たんぱく質分解酵素は、炎症の治療、血栓性疾患の予防のために臨床で使用されています。血栓の形成は、心臓発作(心筋梗塞)や脳卒中を引き起こします。動脈の炎症によって、腫れたり血圧が上昇する可能性があります。たんぱく質分解酵素は、ドイツ、オーストリア、オランダでは医師が一般的に使用しており、その使用については代替となることを示す文献もあります。ヨーロッパの医師は、血液凝固を防ぐためにアスピリンの代わりに酵素を使用することがあります。

100件近い研究が実施され、これらのあまり知られていない酵素が関節の痛みをどのように効果的に緩和するかが明らかにされています。

1972年マックス・ウォルフ博士は、なぜ加齢とともに私たちの身体(特に関節)が慢性的に炎症を起こし、関節炎をもたらすかを発見しました。

膝の手術を受ける約80人を対象とした二重盲検プラセボ対照試験では、手術後にこれらの酵素を摂取したところ、可動性が向上して腫れが抑制され、回復率が有意に改善しました。

慢性的な首の疼痛がある30人を対象にした別の二重盲検プラセボ対照試験では、これらの酵素を併用することによって、プラセボ群と比較して有意に疼痛の症状が改善されました。

日本の研究者は、ナットウキナーゼ酵素が深部静脈血栓症の治療に有効であることを示しました。ナットウキナーゼのようなたんぱく質分解酵素は、心臓発作や脳卒中などの血栓性疾患の予防に活用することができそうです。

1930年代に、ドイツの酵素製品メーカーは、数十年間にわたる研究を実施しました。1960年代に、同社の製品が帯状疱疹(ヘルペス)を軽減するために効果的なことが明らかになりました。アシクロビルと酵素の比較研究は1990年に実施され、酵素がアシクロビルと同様の効果を発揮することがわかりました。これらの酵素は薬剤と比較して有害な副作用がありません。

たんぱく質分解酵素は、様々な疾患を治療するのに役立ちます。慢性疾患の予防と治療のために、これらの酵素についての研究がさらに進むことが望まれます。

プロフィール
Dan Kenner, Ph.D., L.Ac.

Acupuncture and Integrative Medical College
(AIMC Berkeley)

Dan Kenner, Ph.D., L.Ac.

1979年に明治東洋医学院専門学校(日本)を卒業後に鍼灸師の国家試験に合格。大阪医科大学ペインクリニックおよび近畿大学医学部付属病院で研修を受ける。National University of Naturopathic Medical Sciences(米国)で自然療法医療科学(ナチュロパシー)のPh.D.を取得。現在、NHF(米国国民保険連合)およびBarkeley鍼灸統合医療専門職大学院(米国)において委員を務め、多くの著書がある。

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