vol.127 2014年3月号

vol.127 2014年3月号

今月のトピックス

■光岡博士の乳酸菌のはなしシリーズ
5)乳酸菌がつくる体によい成分―バイオジェニックス
東京大学名誉教授 光岡知足 先生
◎「機能性食品」とは、体調を調整する機能をもった食品ですが、その作用機構から、プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスに分類されます。今回は、それぞれの特徴や機能についてご紹介します。

■ワールドヘルスレポート
糖尿病や心臓病対策の菜食ダイエット~米国ヘルシー・ダイエット最新情報②
◎糖尿病は心臓病とも深く関わっていますが、心臓病による死亡件数の4件につき1件は予防や治療で防ぐことが可能という報告もあります。今回は、糖尿病や心臓病対策のダイエットについてお話しします。

■健康豆知識 健康の温故知新
50)多動で糖尿病のリスクを軽減
◎これまで糖尿病の治療には食事改善の指導が中心でしたが、近年、運動療法による糖尿病の改善効果に注目が集まっています。「全国生活習慣病予防月間2014 市民公開講座」の内容をもとに、運動の必要性について考えます。

今月のメニュー

■大和薬品最新情報
◎バイオブランの新たな特許が成立
◎【論文掲載】生活習慣病患者の血圧に対するナットウ菌生成物の効果

■気になるからだ
◎第48回 男性はご注意、前立腺がん

■大和薬品最新情報
◎バイオブランの新たな特許が成立
バイオブランの腸疾患治療に関する特許が成立しました(特許番号:5358219)。バイオブランの同分野への応用が期待されます。

◎【論文掲載】生活習慣病患者の血圧に対するナットウ菌生成物の効果
獨協医科大学を中心とする研究グループは、NKCPが生活習慣病患者の血圧に与える影響について、クロスオーバー二重盲検試験を行いました。今回の研究は、”Journal of Hypertension: Open Access (2014 3:1)”に掲載されました。

高血圧は心疾患や脳血管疾患の原因となり、動脈硬化や血栓形成にも関与します。近年では世界的に深刻な問題となっていて、日本国内でも5~6人に1人の割合で罹患していると言われています。

今回の研究では、NKCPなどを高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病患者21人に1カ月間投与し、血圧の変化を測定しました。その結果、NKCPの投与群において、有意な血圧降下が認められ、これはNKCPの血流改善効果によるものと示唆されました。
今後も、NKCPの様々な可能性が期待されます。

■気になるからだ 男性はご注意、前立腺がん

前立腺は男性の膀胱(ぼうこう)のすぐ下にあり、「栗の実」のような形で、尿道を覆うように存在します。精液の一部を作る働きがあります。前立腺がんは加齢に伴って罹りやすくなります。日本で患者数が増加しており、2020年には2000年と比べて2.8倍に増加し、肺がんに次いで男性のがんの第2位になると予測されています。高齢化に加え、脂肪の摂取量増加、肥満の増加などが要因と見られています。
その一方、トマトに含まれるリコピンやウコンに含まれるクルクミン、ある種のポリフェノールが前立腺がんの発症を抑制するというデータがあります。また、一連の生活習慣改善プログラム(低脂肪食、野菜中心、ストレッチ、瞑想、呼吸法によるストレスマネージメント、1日30分のウォーキング、グループミーティングなど)を行うと、遺伝子の調節を介して、前立腺がんの治療や予防に役立つのではないかとする研究(米国のGEMINAL研究)もあります。この研究では、機能性食品として大豆タンパクや魚油、ビタミンE、ビタミンC、セレニウムを摂取します。生活習慣と遺伝子が結びつくのはとても興味深いところです。
前立腺がんでは最新の「ロボット支援手術」が行われるようになるなど、生活習慣から手術まで、様々な角度から克服への取り組みが進んでいます。

今月も最後まで「e-健康かわら版」をお読みいただきましてありがとうございました。
今後も充実した健康お役立ち情報をお伝えするよう企画してまいりますので、宜しくお願い申し上げます。皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

次回の「e-健康かわら版」は4月10日頃配信予定です。

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