vol.123 2013年11月号

vol.123 2013年11月号

今月のトピックス

■光岡博士の乳酸菌のはなしシリーズ
3)食べた乳酸菌は定着しない
東京大学名誉教授 光岡知足 先生
◎よく広告では『この乳酸菌は生きたまま腸に届き、健康に良い効果がある』と書いていて摂取した乳酸菌が腸内で増殖するような印象を与えるものが多々ありますが、試験の結果によると摂取した乳酸菌は単に生存したまま通過しているに過ぎず、接種菌が腸内で増殖しているのではないことがわかります。通常動物の腸管内では、動物種固有の乳酸菌の増殖、定着について食餌成分が複雑に関係します。マウスの実験をもとに、食べた乳酸菌の腸内定着についてお話しします。

■ワールドヘルスレポート
◎10月17日、米国与野党の対立で2週間以上続いていた政府機関の一部閉鎖が解除されました。デフォルト(債務不履行)が土壇場で回避されましたが、今後の予算計上で大きな火種となっているのが、「医療保険制度改革法」、いわゆるオバマケアです。高額な医療費請求や代替医療への傾倒など、これまでの米国の医療制度における問題点と、10月1日に50州で保険の登録が開始されたオバマケアの現状を報告します。

■健康豆知識 健康の温故知新 
46) 脳を使うと眠りが深まる
◎日本人の睡眠障害についての報道が増えています。眠れない、眠りが浅い等の睡眠の悩みを抱える人が増えていますが、眠りの質は脳を使う、日中に太陽光を浴びる、などの生活習慣や加齢に密接にかかわっています。2013年9月8日にベルサール九段で行われた、三島和夫氏(国立精神・神経医療研究センター)による市民公開講座「秋のすいみんの日」を元に、加齢と睡眠のメカニズムの関係についてご紹介します。

今月のメニュー

■大和薬品最新情報
◎台湾の現地代理店関係者がつくば工場に来場しました
◎「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」に採択されました

■気になるからだ
◎第44回 カプセル飲んで大腸を観察

■大和薬品最新情報
◎台湾の現地代理店関係者がつくば工場に来場しました
台湾の代理店一行は9月26日に大和薬品のつくば工場に来場し、製造施設を見学しました。工場見学の際に当社の研究開発部がプレゼンを行い、大和薬品のオリジナル素材、BioBran、NKCP、米ケフィランについて紹介し、それぞれの製品についてより深く理解していただくことができました。
台湾における大和薬品の製品の市場は拡大しており、今後さらなる展開が期待されます。

◎「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」に採択されました
大和薬品では、2011年から未利用資源を活用して機能性食品素材を開発するプロジェクトに着手していますが、同事業が中小企業庁の「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」に採択されました。
当社では引き続き課題である「未利用資源を活用した機能性食品の開発」に注力していきます。

■気になるからだ カプセル飲んで大腸を観察
一般に大腸がん検診は、まず大便に血が混じるかを調べ、陽性と判定されると「大腸内視鏡検査」が行われます。この検査、肛門からチューブを挿入されることへの抵抗感や、医師の技量によっては苦痛を感じることなどから、受診率は6割程度にとどまります(2012年日本消化器がん検診学会集計)。
受診をためらう人に朗報なのが、口からカプセルを飲んで検査ができる「カプセル内視鏡」の承認です。来年には医療機関に導入されると見られます。カプセルの大きさは3.1×1.16cm、重さは2.9g。両端に小型カメラがあり、お腹の中を移動しながら毎秒4~35枚の画像を撮影します。その画像データを、患者の皮膚に取り付けたセンサー経由で、後ほどコンピューターに表示し、医師が観察する仕組みです。
カプセルはやがて肛門から排出されるので捨てます。従来の方法よりも受診の障壁が低いので、精密検査の受診率が向上すると期待されています。もっとも、カプセル検査が万能というわけではありません。例えば、従来の内視鏡なら、ポリープなどの病変が見つかった場合、その場で切り取ることができますが、カプセルではできません。新しいやり方だけに、医師が画像を適切に評価できるかという課題もあります。十分に説明を受け、納得して検査を受けたいものです。

 
今月も最後まで「e-健康かわら版」をお読みいただきましてありがとうございました。
今後も充実した健康お役立ち情報をお伝えするよう企画してまいりますので、宜しくお願い申し上げます。皆様からのご意見・ご感想をお待ちしています。

次回の「e-健康かわら版」は12月10日頃配信予定です。

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