HOME > なるほど健康塾 > 健康豆知識 > 大病に薬なし

なるほど健康塾

健康豆知識
健康格言から学ぶ
掲載14

大病に薬なし

どんなにいい薬があっても、病気が進行して重くなってから使ったのでは効き目がなくなってしまうという、日本に古くから伝わることわざです。

病気の症状があっても、たいしたことがないからと素人判断して仕事を続け、気づいたときには取り返しのつかない症状にまで進行していた、といった話もよく聞きます。

初期症状の段階では、免疫力などによって自然治癒力が働きますし、薬もよく効き、早く治ることも十分期待できます。

このことわざは、転じて「問題や課題をほったらかしてしまうと、それが徐々に悪化してしまい、そうなってはどんな手を施してももはや効果がなくなってしまう」という意味にも用いられます。

変貌する病気

一口に病気といってもその種類は何百とあり、しかもそれぞれの症状は人により、またその時によってちがってきます。同じような症状で、毎回同じ薬を乱用すると、病原菌が薬剤に対する抵抗力を強化してしまい、いわゆる耐性ができるという困った状態になります。すなわち、薬が効かなくなるのです。

また、再興感染症と呼ばれる疾病もあります。これは「感染症のうち、公衆衛生上問題にならない程度に患者が減ってきているものの中で、20年間で再び流行し始め、患者が増加したもの。」とWHO(世界保健機構)が1990年に定義しています。

再興感染症は、1970年以降に再び問題化した感染症を指し、この代表として注目されているのが結核です。これは、決して昔の病気などではなく、最近でも芸能界で患者が出たことが話題になりました。

エイズ(後天性免疫不全症候群)を例に挙げるまでもなく、文明の進歩は新しい病気を発生させています。いま世界中を震撼させているインフルエンザも、新しい病気で、これは豚や鶏などから感染しています。

病気でも健康でもない

未病という言葉をよく見聞きするようになりました。日本未病システム学会では、「自覚症状はないが検査では異常がある状態」と、「自覚症状はあるが検査では異常がない状態」を合わせて未病としています。健康と病気の間に存在する新しい領域といえましょう。

同学会では、未病の対象となるものとして、境界域高血圧、高脂血症、境界域糖尿病、肥満、高尿酸、動脈硬化、骨粗鬆症、無症候蛋白尿、B型肝炎ウィルスのキャリア、無症候性脳梗塞、潜在性心不全、脂肪肝などがあり、さらに広がることは予想されるとしています。

こうして見てみると、メタボリックシンドロームはまさに未病であり、未病の時点で速やかに治療を受けることが、大病に進ませないばかりか、早期完治の手段となります。

生活習慣で病気を防ぐ

メタボリックシンドロームの予防については、注目されている簡単な方法があります。日本生活習慣病予防協会理事長池田義雄氏が唱えている「一無、二少、三多」の教えで、このシリーズでも何回も紹介しています。禁煙、少食、少飲、多動、多休、多接。この6つの習慣で心身の健康が高まるというものです。

池田氏によれば、7000余人の人間ドック受診者を対象とした調査の結果、一無、二少、三多の実行数が多いほど、高血圧、糖尿、高脂血症、肥満などの生活習慣病の診断結果が良好であることが明らかになりました。

自然治癒力

ふつう人間は、疾病の程度がある程度以下だと、特別な医療を施さなくても自然に健康状態に回復することができます。これが、自然治癒力といわれるものです。症状がある程度以上になると、医療の力を借りなくては回復しませんし、場合によっては回復できない場合もあります。

免疫力を強化することは、病気の予防だけでなく自然治癒力を高める意味でもたいへん重要です。自然治癒力について、日本ホリスティック医学協会会長帯津良一氏は、まだ科学的に解明されていないとした上で、「ある空間が持っているポテンシャルであり、また、一つの容積を持った空間が持つエネルギーである」と説いています。

食で病気を防ぐ

病気を予防し治すには、食は極めて重要です。和食の見直しや食物成分への関心の高まりは、最近とくに盛んになっています。前述の帯津氏も、自然治癒力を高める食物として、動物性より植物性、なるべく自然なもので旬のもの、そして地場でとれたものが最上位である、としています。

一年を通して日本や世界の産物が食卓に乗る時代ですが、こうした生活の便利さは私たちに困った現象を強いるようになりました。一つは外国産の残留農薬であり、もう一つが温室栽培等による含有栄養素の激減です。

「日本食品標準成分表」の初版と四訂版を比較すると、ほうれん草に含まれるビタミンCは、1950年には150mgあったのが、1982年には65mgに減っていますし、鉄分も、13mgから3.7mgになっています。こうした減少は他の野菜などにも見られるといいますから、これは問題です。成分は目に見えないだけに、チェックのしようがありません。

食によって摂取する栄養分が十分でないとしたら、サプリメントの力を借りるという方法も一つの手段として考えられます。