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健康格言から学ぶ
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病膏肓に入る

つきあいで始めたゴルフにはまってしまったり、趣味や道楽が抜き差しならない状態に陥ることを、「病膏肓に入る」(やまいこうこうにいる)と昔からよく言います。

熱中して手のつけられない状態のこととか、辞書によっては、悪癖や弊害などが手のつけられないほどになることとさえ解説しています。

しかしながら、この言葉の本来の意味は、病気が医師の手の施しようのない不治の状態になったことを表すもので、出典は中国の「春秋左氏伝」です。膏は心臓の下の部分、肓は横隔膜の上の部分を指します。

どちらも当時の治療法であった鍼も灸も及ばない奥深いところにあるため治療しにくく、病気が重篤になることを言うようになったのです。

ところで、あまり馴染みのない漢字のせいか、「病膏盲に入る」(やまいこうもうにいる)と言いがちですが、「膏肓」(こうこう)と正しく覚えてほしいものです。

難病(特定疾患)とは

中国の春秋時代、どのような病気が不治の病だったのか。疫病だったのか、食中毒だったのか、知るすべもありませんが、現代のわが国には難病(特定疾患)と言われているものがあります。

医学的には、難病は明確に定義された名称ではありませんし、難病そのものもそれぞれの時代の社会情勢や医療水準などによって変わってきます。昔難病と言われた結核や赤痢などはいまでは容易に完治するようになっています。

難病については、1972年の難病対策要綱で以下のように定義されています。
1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ後遺症を残す恐れが少なくない
疾病。
2)経過が慢性にわたり、単に経済的問題のみならず介護等に著しく人手を
要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病。

特定疾患については、わが国では以下のように定義しています。
「難病のうち、原因不明で、治療方法が確立していないなど治療が極めて困難で、病状も慢性に経過し、後遺症を残して社会復帰が極度に困難もしくは不可能であり、医療費も高額で、経済的な問題や介護等家庭的にも精神的にも負担の大きい疾病で、その上症例が少ないことから全国的規模での研究が必要な疾患」

現在、国の難治性疾患克服研究事業として130の疾患が特定疾患として指定されていますが、そのうち45の疾患については特定疾患治療研究事業の対象とされており、医療費の一部が助成されます。

130の特定疾患のほとんどは難解な病名がついていますが、中には私たちの周辺でよく見聞きするようなものもあります。たとえば、次のような病気も特定疾患に入ります。潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、劇症肝炎、肝内結石症、慢性膵炎、悪性関節リウマチ、再生不良性貧血、溶血性貧血、肥大型心筋症、拡張型心筋症、原発性免疫不全症候群、若年性肺気腫、慢性肺血栓塞栓症など。

特定疾患の多くは、医学や薬学、科学の進歩によって征服されて完治可能になっていくでしょうが、逆に新たな難病が現われる。これは、私たち人間の宿命です。

集中力

病みつきになるといえば、やる気。やる気といえば集中力です。人間、精神やエネルギーを集中させれば、普段では不可能なことができてしまいます。

たとえば、勉強に没頭して超難関の入学試験に合格するとか、スポーツ選手が驚くような記録を樹立するとか。日常の仕事についても、さあやるぞとやる気になってあたれば、短時間で良い仕事ができてしまいます。

世に寝食を忘れるという言葉もあります。脳の機能を集中させると、想像以上の成果が得られるということでしょう。これが、人間の素晴らしさではないでしょうか。人間には、もともと「やる気ホルモン」と呼ばれる甲状腺刺激放出ホルモン(TRH)があり、これに集中力が加わると鬼に金棒となるわけです。

集中力でよく引き合いに出されるのが、大リーグ・マリナーズのイチロー選手です。あるテレビ番組によれば、イチロー選手は二つの人格を持っていると思えるほどオンとオフを見事に切り替えているといいます。

プライベートの鈴木一朗とプロフェッショナルのイチロー選手の二つのタイプが存在して、プライベートでは気さくな青年であっても、ひとたびユニホームを着ると、全身に緊張感が漂って容易に他人を寄せ付けない雰囲気になるといいます。

試合中は、自ら決めた動作にこだわり、集中力を極限まで研ぎ澄ましてバッターボックスに立つとか。これだけの才能と努力があって、あれだけの記録ができるということでしょう。

集中力を高める

さて、集中力を高めるにはどうするか。誰しもがイチローになれるわけではありません。万人に共通する秘訣は難しいかもしれません。ただ、よく言われている方法はいくつかあります。

まず、自分を信じて自信を持つこと。ある意味、自己催眠ともいえます。自分でできると信じることです。それから、やることを整理してプライオリティーを決めること。

聖徳太子ではないのに、同時に三つも四つも物事をすることは不可能です。優先順位の高い順に、一つずつ集中して行えば、能率も上がります。夏なら暑すぎず、また冷房を効かせすぎず。冬なら寒すぎず、暖房を効かせすぎず。ほどよい環境を整えることも大事です。

気が散る

一つのことにいつでも集中できたら、毎日が無駄なく合理的に過ごせることでしょう。しかし、悲しいかな人間には雑念がつきまといます、イライラする、落ち着いてやっていられない、などなど。

静か過ぎると落ち着かないとか、ザワザワした中のほうが言い考えが浮かんでくるという人もいます。要は気の持ちようでしょうか。

気が散らないようにと、文明の利器を持っていない企業もあります。味の良さで評判の北九州のカレー屋さん(本店)では、創業当初から気が散るという理由から電話を取り付けていないそうです。同じ理由で、取材もいっさい断っているそうでから、ここまで徹底すれば、立派というしかありません。

気がつく言葉

気という文字は、人間の心から外気、時間、自然現象まで、実にいろいろな意味を持っていて、この字がつく言葉は枚挙に遑がありません。

手許の小さな辞書を開いても、気がある、気が移る、気が多いなど、50を超えます。人間の心情に関わる言葉が多くて興味深いですが、あまり考えて読むと気が散ってしまいます。

熱病

一つのことにあまりにも夢中になることを、熱病にたとえることがあります。男女の中でも、相手に夢中になるとき「熱を上げる」という言葉を使います。

ところで、熱病といえばちょっと飛躍しますが野口英世博士が思い出されます。正式には「E号千円札」と呼ばれる、2004年より発行の千円札の肖像で有名ですが、細菌学者として黄熱や梅毒の研究で知られています。

野口は、ガーナのアクラで黄熱病原の研究中に自身も感染して亡くなりましたが、黄熱(黄熱症)とはネッタイシマカなどの蚊によって媒介される黄熱ウィルスを病原体とする感染症です。

南アフリカ出身アメリカの微生物学者マックス・サイラーは、黄熱ワクチン開発の功績により、1951年にノーベル医学生理学賞を受賞していますが、野口が倒れることなく研究を続けていたら、間違いなく日本人ノーベル賞受賞者第一号になっていたことは間違いありません。

凝る

物事に熱中する。何かに凝ることは、素晴らしいことです。しかし、同じ凝るでも肩凝りには困りものです。女性の自覚症状に中では一番多いといわれるこの症状、実は病気の名前ではありません。

筋肉の血行障害などによって、首筋から肩、腕にかけて異常が生じる症状で、これは正式には頸肩腕症候群の初期症状と言われています。筋肉への血行が悪くなると、酸素や栄養分が不足して老廃物が蓄積されやすくなります。

そして、その老廃物が神経を刺激するために肩に痛みが生じるのです。原因としては、人間が他の動物とちがって二足で生活していること、脳が発達して肩や首に負担がかかることなどといった宿命的なことから、運動不足、姿勢の悪さ、目の疲れなどの日常生活によるものなどが指摘されています。筋肉への血行を良くするために、適宜に運動することが肩凝り予防の第一だと言えます。

こだわり

ものごとにこだわる人は、案外たくさんいます。その典型が血液型。たとえば、A型は几帳面で協調性があるとか、B型は自由奔放であるとか、0型は大雑把であるとか、AB型は凝り性であるとか。

性格を、血液型によって4つに分類されてはたまったものではありませんが、実際、血液型と性格についていままで科学的な統計調査は何回も行われていますが、両者の関係について医学的・科学的なデータは何ひとつ出ていません。

ということは、血液型による相性についても根拠はないということでしょうか。血液型も占いと同じで、それを過信しないでいいところだけを信じるような前向きな気持が大事といえましょう。

因みに、日本の歴史を代表する武将3人の血液型を調べてみましょう。アイディアが奇抜で先見性を持って広く視野を世界に向けて行動したといわれる織田信長は、B型。その時どきの仕事に集中して確実に上をめざした豊臣秀吉は0型。いつも誰かのために役立つことを優先してナンバー2としての役割りをはたして大器晩成をした徳川家康はA型。確かな根拠がないにしても、血液型であの有名な句「鳴かぬなら~」と3人を比較してみるのも、またおもしろいものです。

さて、こだわりといえば、マスプロダクトでない手作りの商品の代名詞のように伝えられています。とくに食品に多いようですが、こだわりの逸品といえば、素材を吟味して、添加物や防腐剤などを使わないで、熟練した職人が一つ一つ丁寧につくりあげたもの、といったイメージがあります。

こだわりの蕎麦屋といえば、国産の蕎麦粉で主人が注文を聞いてから打つ蕎麦を連想します。食べ物にこだわる人。ファッションで特定のブランドにこだわる人。血液型にこだわる遊びに対抗して、こちらは一種の贅沢といえるかもしれません。

病みつき

やめられない、とまらない、というスナック菓子のコマーシャルがありました。好きなものや好きなことは、一度その味を覚えたらなかなかやめられません。

その典型が、酒とタバコでしょうか。アルコール依存症は、従来は慢性アルコール中毒(アル中)と言われていましたが、中毒という言葉が、薬物などによって直接身体機能を冒す急性症状をいうことから改められたものです。

日本の飲酒人口は約6000万人。そのうち230万人がアルコール依存症といわれます。ある報告によれば、アルコール依存症の大部分は、肝機能障害や胃腸障害、膵障害などの臓器障害を起こすといわれます。

しかも肝炎は、アルコール脂肪肝や肝硬変に進む例が大変多いといわれています。飲酒は、メタボリックシンドロームの予防の見地からも好ましくないとされています。

そうかといって急に禁酒・断酒をしても、多分長続きはしないでしょうし、却ってストレスの原因になります。ここは、徐々に量を減らすというのが一番いい方法ではないでしょうか。

喫煙については、厚生労働省が掲げるメタボリックシンドロームの予防対策で、非常に重要視しています。タバコの害は、肺ガンのリスクや血管収縮による血行不良などたくさんの弊害が広く知れわたっていますが、それでもやめられないという困った状況にあります。

特定保健指導では、腹囲が基準未満であっても、BMIが25以上の場合は特定保健指導選定対象になりますが、腹囲が基準値を超えて、さらに血圧など3項目中2つ以上がオーバーすると、医師による積極的支援になります。

喫煙者の場合はさらにランクが厳しく、3項目中1つオーバーしただけで積極的支援になってしまいます。禁煙は心がけ次第。禁煙した回数を自慢するよりも、一回でやめたいものです。自分のためだけでなく、副流煙による家族や周りの人の健康のためにも、いまから実行してはどうでしょうか。