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老化は足から

歩けるうちは健康、という人もいます。ゴルフが健康にいいのは、プレーではなくて長い距離を歩くからだ、という人もいます。

老化は足から歩くという行動は、私たち人間にとって、基本的な運動、というよりも、誰にでもできる、いつどこにいてもできる、健康維持のための手っ取り早い手段といえます。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に悩む中高年を中心に、このところ歩数計(万歩計)の販売が大きく伸びているのも、健康志向の高まりとそのための努力といえましょう。

しかしながら、歩くことに覚悟や決断は要りません。毎日の生活の中でちょっと工夫するだけで、歩く健康生活が実現できます。

たとえば、駅などでエスカレーターやエレベーターをやめて、階段を歩く。思い切って、一駅、一停留所の距離を歩く。こうした習慣で、老化を予防することは十分可能です。

一日一万歩

歩く(ウォーキング)といえば、一日一万歩という言葉をよく聞きますが、この数字にはどんな根拠があるのでしょうか。これだけの歩数を歩けば健康に良い、ということでしょうか。

厚生労働省の「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)では、一日に歩く歩数の目標値を、男性9200歩以上、女性8300歩以上としています。ところが、実際には、男性の71.3%、女性の73.0%がこの目標値に達していないとの厚労省の調査結果が出ています。

さて、一日一万歩の根拠ですが、専門家は、一万歩歩くことは300Kcalのエネルギー消費に相当し、最低このぐらい消費しないと、基礎代謝量が上がらないばかりか肥満に結びつく、と解説しています。

エネルギーの摂取と消費の収支計算で、もし摂取カロリーがオーバーしてしまうと、その分は内臓や皮下などに蓄積して貯蔵されてしまうことになります。

人間にとって一日に必要なカロリーは、標準体重1kgあたり30Kcalといわれますが、もちろんこの数値は性別、年齢、職業、生活環境などによって一定ではありません。この計算の元となる標準体重は、身長のメートル単位の数値の2乗に22を掛けたものです。つまり、身長170cmの人の場合は、1.7×1.7×22=63.6kgとなります。

歩数計が売れている

メタボ対策の一環として2008年4月に始まった特定検診・保健指導(メタボ検診)の影響で、歩くことや歩数に注目が集まっていますが、それにつれて歩数計への関心や人気も高まっています。2008年には、全国で560万台も販売されています。

機能を大きく進化させた商品をメーカー各社が競っていますが、歩行で燃焼した脂肪の量や消費カロリーを計算するもの、設定した歩数を音声で知らせてくれるもの、防犯ブザー機能付き、日本橋を基点に東海道、甲州街道などの5街道を疑似歩行体験できるものなど、いろいろです。

歩こう歩こうと思いながらなかなかできない方は、まず立派な歩数計を買われてはいかがでしょうか。実行のきっかけになるかもしれません。

陸上ではなく水中を歩く

歩くことが健康にいいのはわかっているが、膝が痛くて、とおっしゃる方にお勧めなのが、プール歩行です。水中を歩くと、浮力が働きますので、膝や腰への負担が少ないので、陸上ほど痛みを感じません。

その上、水の抵抗でなかなか前に進まないので、この抵抗がほどほどに体の負担になって歩くよりも多くのエネルギーを消費しますし、体にかかる水圧が血液やリンパの流れをよくするともいわれます。

また、温泉プールを利用すれば、寒い季節でも続けることができます。水中歩行で注意しなくてはいけないのは、水の深さです。歩きにくいからと、浅すぎる水にしてしまうと、運動になりませんし、逆に深すぎると歩けなくなってしまいます。プールといえば、泳げないなどの理由で敬遠しがちですが、歩くこともたいへん素晴らしい健康法です。

人は一生に地球3周半歩く

ところで、私たちは一生でどのくらいの距離を歩くのでしょうか。単純に計算すると、一日平均5キロ歩くとして80歳まで生きた場合、これらの数字を掛け合わせると、14万6000kmの長さになります。これは、地球を3周半ということになります。

この距離は、長いでしょうか。それとも、たったそんなものか、といった程度でしょうか。歩くといえば、伊能忠敬は55歳から70歳までの15年間で、日本全国を歩きましたが、その距離はおよそ4万km。地球を一回りしてしまったわけです。

健脚が自慢の方には、こんな計算はどうでしょうか。地球から月まで歩いて行ったらどのくらいかかるのか。人の歩く早さを時速4kmとすれば、月までの距離は38万4400kmですから、9万6100時間。

これは、4004日、つまり11年弱となります。計算上では、飲まず食わずで歩き続ければ、11年で月に到着する計算になります。因みに、太陽までの場合を計算してみると、なんと4266年もかかることになります。

歩く速度が早くなった

イギリスのある調査機関が、世界の主要都市の市民の歩くスピードが10年前と比較して平均で10%近く早くなっている、という調査結果を発表しました。普通の状態で18mを歩いた時間を計測したもので、最も早かったシンガポールでは10.55秒。東京は12.83秒で第19位だったとか。

10年前と比較した場合、シンガポール人は30%、広州人は20%も早くなったといいますが、この数字、近年の生活テンポが速くなったことに影響されているのでしょうか。それとも、人類が進化しているということでしょうか。

せっかく歩いても

爽やかの空気の中を歩くのは、気分的にもリフレッシュできますが、よく歩いた、頑張ったなどと、自分へのご褒美を安易に考えてはいけません。汗をかいた後だから、ビールも美味しいかもしれませんが、アルコール類はカロリーが高いことをお忘れなく。

たとえば、ビール500mlはおよそ200Kcal。日本酒、焼酎の1合(180ml)も、ほぼ同じくらいです。つい気を許して飲みすぎると、1万歩に相当する300Kcalを軽くオーバーしかねません。ここは、カロリーのないお茶にするのが賢明かもしれません。

走るより歩く

近ごろはランニングがブームで、皇居のお堀の周りを走るランナーが急増しているようですが、ランニングは足や膝、心臓に負担がかかりますし、筋肉痛などがおきる危険性もあります。過度のランニングは、かえって健康を害する恐れがあるのです。

それに、体のどこかが痛くなったりすれば、走るのが億劫になって、長続きしなくなる心配もあります。体力や気力によほど自信がなければ、無理して走るよりは歩く方がお奨めです。

走るから歩くに転向する人も多く、いまでは日本の中高年の30%近くがウォーキングを実践しているというデータもあります。辛抱強く続けることで、足腰が強くなるばかりか、生活習慣病を引き起こす要因になる内臓脂肪が減って肥満が解消されたり、長い間悩んでいた糖尿病などの病気が軽くなったりするデータもあるとか。

骨を強化して、骨粗鬆症の予防にもなる、呆け防止にもなると、ウォーキングのメリットを説く専門家もいます。足を鍛えることは、老化予防の近道といえましょう。

正しい歩き方

歩くことが健康にいいからと、ただズルズル歩いたのでは、健康に十分には貢献しません。とくに、ダイエットのためにウォーキングをという人には、そのための正しい歩き方があります。

まず、歩幅を長めに、腕をしっかり振って、背筋をピンと伸ばして、早足で歩くことです。着地はかかとから。歩幅は、一応の目安として、身長×0.45cmが理想といわれます。

仮に身長160cmの人の場合は、70cmとなります。かなりの大股になりそうです。ウォーキングで注意しなくてはならないのは、短時間で止まらないことです。体内の脂肪は、運動を始めて20分ほど経たないと燃焼しませんから、その前に止めてしまったら、効果は期待できなくなります。

今日からでも

歩くことは、気持がいいものです。健康維持、健康づくりに役立つだけでなく、爽やかな空気を吸いながら風景や季節を楽しむのは、清々しい気分になって、ストレスの解消にもなります。ウォーキングに一大決心は要りません。思い立ったら、そのときからでも始められます。

ウェアと、足によくフィットする靴があれば、明日から、いや今日からでも始められます。健康、健康と焦って、最初から気負って無理しないことも大事です。

また、朝食事前に歩く場合は、血糖値が低下しており、立ち眩みなどを起こす恐れもありますので、なにかお腹に入れておくなどの注意も必要です。また、朝は血圧が高くなりやすいので、これも注意が必要です。

改まってウォーキングはどうも、という方は、歩く習慣づけを始めたらどうでしょうか。日常生活の中でちょっとした工夫をするだけで、心身にいい影響があらわれます。

老化の原因は足だけではない

ウォーキングを続けても、それだけで老化が防止できるわけではありません。歩くことは、あくまで手段の一つ。健康づくり・健康維持には、日常生活での注意が肝心です。正しい生活習慣を続けることです。重要なのは、以前にも紹介した「一無、二少、三多」の心得です。

これは、生活習慣病の大御所である池田義雄先生が以前から提唱しているもので、一無は禁煙、二少は少食(腹七~八分目)、少酒(アルコールは20g以内)、そして、三多は、多動(積極的な運動)、多休(十分な休養・睡眠)、多接(多くの人、事物に接し、趣味を育み創造的な生活を心がける)を意味しています。
健康や元気、若さを維持するには、心がけと努力が必要となります。健康は根気です。