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ある種の治療は病気より悪し

素人判断で適切でない治療をすると、逆に症状を悪化させてしまうということでしょうか。「生兵法は大怪我の元」という諺もあります。

これは、生半可な知識や技術を信じて物事を行なうと、かえって大失敗する、という教訓です。それにしても、「病気より悪し」とは尋常ではありませんね。

「ちょっと調子が悪い」と感じるような症状のとき、大事をとってすぐに大病院に駆けつける人、何のこれしきとがまんする人、薬を買って飲む人などそれぞれでしょうが、どれが良いか悪いか、判断は難しいところです。

大切なことは、できることなら近所に何でも相談できるホームドクターをもつことではないでしょうか。

餅は餅屋

ごく軽い症状だったら、いわゆる自然治癒力で治るケースも多いでしょうが、がまんしたばっかりに取り返しのつかない状態になってしまう不運もあるかもしれません。間違った判断によって売薬を服用するのも危険です。

自分の体のコンディションをいつも把握していて、あるレベルを超えたときには早めにお医者さんに診てもらうというのが理想です。病を治すのは自分自身で、お医者さんはその手助けやアドバイスをする専門家であることを忘れないことです。

医師の指示による薬品だけでなく、食事や生活習慣、運動、気分転換、環境を変えることなども、治療に役立ちます。治療を含めて健康には自分で責任を持つ「患者学」を身につけたいものです。

餅屋が足りない

お医者さんを餅屋さんにたとえるのはどうかと思いますが、医師不足という現象が社会問題になっています。大都市圏に比べて、地方や離島などでは、医師の配置基準の充足率が極端に低く、しかもこうしたところでの勤務を希望する医学生が極めて少ないという格差。

また、昨今の報道でクローズアップされた産科医の不足は記憶に新しいところですが、小児科医の不足も深刻です。どちらも、過酷な診察科といわれるほどの激務です。

産科医の場合は、妊婦がいつ産気づくかわからないので、休日・夜間を問わず24時間待機するような激務になりますし、小児科医は、少子化によって親の愛情を過剰に受けている子供を診察するのは精神的にたいへん疲れます。

日本の医師不足について、OECDが発表しているデータがあります。まず、人口1000人当たりの医師数をみると、日本が2.0人であるのに対し、ドイツ・フランスは3.4人、アメリカは2.3人と、単純に計算して日本はドイツ・フランスの6割となります。

もうひとつ、ひとりの医師が年間に診察する患者数では、日本は8,500人。OECD各国の平均2,400人と比較したら3~4倍にもなります。もうひとつ、病院の100床当たりの医師数では、日本の12.0人はアメリカ(63.9人)、ドイツ(35.6人)などには到底及びません。

さて、医師不足、僻地医療を語るとき、桑山紀彦医師の生き方・活動には頭が下がります。多文化間精神医学、難民心理、紛争とトラウマ、PTSDを専門分野とし、「野に降りた精神科医」を自らの理想像に掲げ、日本での診療所長やNPO法人代表理事の傍ら、世界の紛争地帯を被災者の心のケア活動に駆け回っています。医療を、「患者さんを社会へ帰していくという仕事」という言葉にも、心が打たれます。

おばあちゃんの知恵

薬を飲むほどの症状ではない、薬はなるべく飲みたくない、などという場合の手軽な手当てが、おばあちゃんの知恵といわれる民間療法です。

療法とは言っても、これは厳密には医療の範疇には入らず、先人たちの知恵といったものです。たとえば、風邪かなと思ったときには生姜湯や葛湯、咳には黒豆の煮汁、喉の痛みには大根、熱にはリンゴやレンコン、などなど。

子供の頃、おばあちゃんに作ってもらったものも、いくつかあるでしょう。これらの知恵が長年引き継がれているのは、それなりの効果が認められているにほかなりません。

早起きの値段

「早寝早起き朝ごはん」国民運動というのがあります。子供たちが健やかに成長していくためには、適切な運動、調和のとれた食事、十分な休養睡眠が大切であり、こうした生活習慣を身につけるには家庭に果たす役割が重要であるとして、2006年には文部科学省の主導で「早寝早起き朝ごはん全国協議会」が設立されています。これには、百を超える企業や団体、個人が参加しています。

「早起きは3文の得」という諺があります。この3文、いまの貨幣価値ではどのくらいになるか。ある資料によれば、およそ1000円だそうです。この金額が高いか安いか。アルバイトの時給より高いという人もいるかもしれませんが、この得は金銭ではありません。

まず、人間の細胞は、起きてからおよそ2時間でやっと目覚めるといわれます。起きぬけで、細胞が眠っている間に仕事や勉強をしても、能率は上がらないし、ミスはするし、といったことになりかねません。

人間は、生体のリズムとして、昼間は自律神経の交感神経が働き、夜になれば副交感神経が働きます。この昼と夜のリズム(サイクル)が狂うと、自律神経の調節機能に異常をきたして、自律神経失調症になりかねません。これは、目免疫力の低下にもつながります。

人間も生物の一種であると考えれば、大自然の摂理にしたがって、日が暮れたら休み、夜が明けたら起き、朝昼晩同じ時間に食事を摂る、といった生活習慣が理想であることは重々わかっていますが、それを実践することは100パーセント不可能です。少なくともできることは無理をしないで、規則正しい生活をする、といったことでしょうか。

未病という病気

最近、新聞やテレビなどで「未病」という言葉に接する機会が多くなりました。さて、未病とは病気であるのか否か。
日本未病システム学会によれば、この言葉は、2000年前の後漢の時代の中国最古の医学書「黄帝内経」に始めて登場し、そこでは、未病とは「病気に向かう状態」を指し、この未病の時期を捉えて治すことのできる人が医療者として最高人(聖人)であるとしています。また、貝原益軒も有名な「養生訓」のなかで、この言葉を使っています。

近ごろは、予防医学への関心が高まっており、辞書にも載るようになりました。ある辞書は、こんな風に説明しています。「病気ではないが、健康でもない状態。自覚症状はないが検査結果に異常がある場合と、自覚症状はあるが検査結果に異常がない場合に大別される。骨粗鬆症、肥満など」

未病のもっとも代表的なものが、メタボリックシンドロームです。内臓脂肪の蓄積が、高血圧、高血糖、高脂血症などを招いて、これが動脈硬化を引き起こす元凶になるからです。

がんについても、明らかな症状が出る前に発見する手段としてPETは代表的なものですが、最近では超早期診断プログラムとして遺伝子検査も登場しています。また、がんを寄せつけない食事についても、提唱する医師や実践する人が増えています。

免疫力をつけて病気を寄せつけない

免疫あるいは免疫力という言葉が良く出てきます。辞書では、次のように定義しています。「体内に病原菌や毒素その他の異物が侵入しても、それに抵抗して打ちかつ能力。また、異物と反応する抗体を作って発病をおさえる抵抗力を持つこと。(以下略)」

免疫(細胞)は、私たちの身体に中で常時病原菌と戦っていますが、この力は一定ではなく、環境や食生活、ストレスなどによって増減しています。すぐに風邪を引いてしまうようなときは、免疫力が落ちているからでしょう。免疫力が強いと、生活習慣病や風邪、インフルエンザ、さらにがんなどにかかりにくく(予防)なります。

さて、免疫力を上げるにはどうしたらいいか。これは、別に難問ではなく、日常生活の簡単な見直しでできます。バランスのとれた適量の食事(禁煙・適量の飲酒)、十分な睡眠、適度の運動、ストレスをためないなど。笑いが免疫力アップに貢献することも、証明されています。

病気になったら早く治すことも大事ですが、それよりも病気にならない工夫をして予防することのほうがもっと大切です。予防医学については、大きなテーマになっており、財団法人日本予防医学協会、財団法人予防医学会、日本予防医学会など多くの団体があり、それぞれ活動をしています。

免疫についての書籍はたくさん出版されていますが、なかでも「免疫の意味論」(多田富雄著)は多くの人に読まれています。

健康のための10の黄金律

アメリカの健康財団は、健康のための黄金律として10の項目を挙げています。

  1. 毎年、健康診断を受ける
  2. タバコは吸わない
  3. アルコールはほどほどに
  4. カロリー計算をする
  5. コレステロールに気をつける
  6. 栄養価の知識をもつ
  7. レジャーや休暇の時間をとる
  8. 日々のプレッシャーに順応する
  9. 運動プログラムを開発する
  10. 自分の体の持てる力、限界を知る

簡単なものや覚悟がいるものなどいろいろですが、楽しみながら前向きに実践することです。義務感をもったりすれば、ストレスがたまったりして、かえって逆効果になるでしょう。