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少し食べ、少し飲み、早くから休む事、これは世界的な万能薬

物があふれている日本ですが、これは食糧についても同じです。科学技術の発達や流通の進歩によって、国内はもとより全世界の食べ物が、いつでも容易に手に入る時代です。しかしながら、豊かな食生活を、単に便利といって片付けるのには、問題があります。これに、食事の欧米化が加わると、ことは重大です。

飽食は、日本人の胃袋を必要以上にいっぱいにするだけでなく、含まれる動物性脂肪やたんぱく質、塩分などが、健康維持の邪魔をするのです。生活習慣病をはじめ、ガン、心筋梗塞、脳卒中などの重篤な疾病にも関わってきます。

さらに、「眠らない店・街」が増えて、夜更かし、睡眠不足の人が増えているのも現状で、これも健康にとって良い訳がありません。いまこそ、暴飲・暴食を戒め、よく眠るなど、生活習慣を見直す時期とはいえないでしょうか。

日本人は食べすぎ

消化器ガンの外科医で、4000例もの手術実績を持ち、ガンの予防・再発防止に食事による栄養・代謝療法を採り入れている済陽高穂医師によれば、ヒトラーは強い兵士を作るために1日に4200キロカロリーもの食事(戦闘食)を摂らせたといいます。この食事は、後にアメリカに引き継がれ、筋骨隆々の兵士が朝鮮半島やベトナムに送り込まれていったのです。

ところで、日本人の平均摂取カロリーは、1500~2000キロカロリー/日といわれています。因みに、日本人のカロリー摂取量の推移を見ると、1946年に1903キロカロリーだったのが、1970年2210キロカロリー、1980年2119キロカロリーと、経済成長期には急増しましたが、2000年には1948キロカロリーと、危険水域には行っていません。飽食といわれながら、カロリーオーバーになっていないのは、不思議です。

ガンは、いまや日本の国民病になりましたが、ここ数年の患者の増加は、食事の西洋化に比例しています。従来、野菜や魚中心だったメニューが、肉類に主役の座を譲ったことで、国民の体に変調が起きたのです。動物性の脂肪やたんぱく質、塩分は、ガンや心筋梗塞、脳卒中などの重篤な疾病を引き起こす元凶なのです。

肉類中心の食事や、おやつから主食の地位を狙うスナック類、ジャンクフードは、大人だけでなく、子供の健康も損ない始めています。生活習慣病の若年化、低年齢化です。食育の重要さが叫ばれる今日この頃ですが、これはむしろ大人に教育すべきテーマではないでしょうか。

日本で欧米化、欧米で日本化

モスクワ市内に、寿司屋さんが何十軒もあることを、テレビが紹介していました。築地の高級マグロが、中国人に競り落とされて、中国富裕層の食卓を賑わしているという報道番組もありました。また、アメリカでは健康志向をかなえる日本食のブームが、長く続いているといいます。最近では、乳ガンの予防もかねて、豆腐、納豆、味噌など、大豆の人気がアメリカで爆発しています。

魚、野菜を中心にして、昆布などのあっさり味をつけた日本食を、日本人は敬遠して、それをアメリカ人が食する。日本人は、アメリカ人が健康のために避ける肉食に走る。なんという皮肉でしょう。

2007年に「ガン対策基本法」が施行されましたが、アメリカでは1990年に国立ガン研究所が、ガン予防のために「デザイナーフーズプロジェクト」(野菜の積極的な摂取を呼びかけた)を立ち上げ、大きな成果をあげています。国家プロジェクトとまではいかないまでも、私たちは日本食回帰を考える時ではないでしょうか。

医者の養生

世に名医と言われる医師の何人かに聞いたり、著書を読んだりしてみると、意外なことがわかりました。少食、しかも、肉類をさけた菜食中心が多いのです。先の済陽先生は、昼食はリンゴとヨーグルトだけ。朝は、週2~3日は、無農薬・低農薬野菜の「朝ジュース」だといいます。

また、テレビや著書で、少食や断食をメインとした健康法を提唱している著名な医師の朝、昼食は、ニンジンとリンゴのジュース。黒砂糖を入れた紅茶。夕食は普通のメニューとのこと。

テレビなどで有名で、ベジタリアンを自称する別の医師の場合は、これはかなり極端ですが、食事は1日1回。メニューは、自家製の「ごぼう茶」だけ。これを、1日に4~5回。そして、お腹が空いたときには、野菜をたっぷり食べるのだそうです。

日本生活習慣病予防協会の理事長である池田義雄先生は、メタボリックシンドロームが引き起こす生活習慣病を予防するライフスタイルとして、「一無、二少、三多」を提唱しています。「一無」は禁煙。「二少」は少食(腹七・八分目)、と少酒(アルコール量20g以内)。「三多」は、多動(運動)、多休(休養、睡眠)、多接(人、事物に接し、趣味を持ち、創造的な生活をする)を意味している、と解説しています。

まさに、「ます隗より始めよ」でしょうか。甲田療法で知られる甲田光雄先生も、生前「小食する者には天がほほえむ」との言葉を残しています。先生方の少食を単に真似るのではなく、参考にして、、美味少量もしくは良食少量に務めたいものです。

農耕民族と地産地消

「地産地消」という言葉が、ある時期一世を風靡しました。「三里四方の野菜を食べろ」という言い伝えも残っています。また、「身上不二」という言葉もあります。これは、自分が暮らす土地から季節ごとに得られるもの(旬のもの)をたべるべき、という教えです。実際、何万キロも離れた異国の土壌や気候で育った作物よりも、身近なところでできたものの方が、安心で信頼できる、というのもわかる気がします。

そもそも、日本人は、獲物を追って移動する狩猟民族ではなくて、ひとところにとどまって農作に勤しむ農耕民族でした。身の回りにあるもの、身の回りで育てたものと食するのが習慣だったのではないでしょうか。その末裔である私たちも、同じような食生活をするのが、本来の姿ではないかと思うのですが。そもそも、人間は草食動物であったはずです。

身長165センチだと体重は59.9kgが理想

スーパーやコンビニでは、毎日期限切れの食料が大量に捨てられます。これは、世界で餓死する何百万人もの胃袋を満たす量だといいます。食糧の自給率が40%そこそこのこの国で、それを惜しみもなく捨てるという行為に、割り切れないものを感じます。

さて、肥満の問題です。2008年からの「特定健診・保健指導」(メタボ健診)がスタートしましたが、一方で子供の肥満も問題になっています。肉類や、スナック菓子、炭酸飲料などの高カロリー食の摂り過ぎには、大人の注意が必要です。

体格指数と言うのがあります。BMI(ボディー・マス・インデックス)といわれるもので、この値が25を超えると「肥満症」となります。「症」ですから、一種の病気と言えます。

BMIは、簡単に計算できます。BMI=(体重)kg÷(身長)m÷(身長)m
理想的な値は22といいますから、自分の理想(目標)体重を計算するには(目標・理想体重)kg=(身長)m×(身長)m×22となります。

ちなみに、身長165cmの場合は、59.9kg が理想体重となります。何軒かはしご酒をして、挙句の果てにラーメン・チャーシューメンなんていうことをやったら、BMIは間違いなく増えます。

寝ない子も寝すぎる子も育たない

総務省の「2006年の社会生活基本調査」によれば、日本人の睡眠時間は、この20年間で最短になったといいます。年齢別にも、ほとんどの世代で減少しています。とくに、45~49歳がもっとも短くて7時間5分。一番長いのは、85歳以上の9時間47分となります。

全体の睡眠時間については、国民生活調査によれば、1960年に8.13時間だったものが、2005年には7.22時間に減少しています。さて、ナポレオンは3時間しか眠らなかった、とは有名な話ですが、現代人は睡眠時間の短さが危惧される昨今、果たして睡眠時間と死亡率は関係があるのでしょうか。

名古屋大学大学院が文部科学省の委託を受けて行なった調査によれば、日本人約11万人の睡眠時間を調べたところ、7時間(6.5~7.4時間)の人が死亡率がもっとも低かったといいます。アメリカの調査でも、7時間睡眠が最も死亡率が低かったという同じ結果が出ています。

注目すべきは、7時間より長くても短くても、死亡率が高くなることが、約10年間の追跡調査で判明したということです。短い場合は、とくに極端に短いと循環器や免疫機能に影響が出ることも考えられ、理解できますが、長時間の睡眠がどうして高い死亡率につながるのか。生物学的にはまだ解明されていません。

少食、少飲、早寝、早起きこそ健康の基礎。夜が明けたら起き、暗くなったら眠り、食事は、野菜や魚など地のものを適量に、という生活パターンが理想ですが、実践するのは容易ではありません。