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健康格言から学ぶ
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病気は千もあるが、健康は一つしかない

まさにその通り。言い得て妙の一言です。この場合の「千」は、実数ではなくて、「多い、いっぱいある」という意味で使われているのは言うまでもありません。俗に言う「風邪は万病の元」の「万」とおなじニュアンスでしょう。病気の種類は数知れないが、健康はただ一つ。これは、古今東西変わらない格言でしょう

千の病気になって

実際に病気の数はどのくらいあるのか。ざっと数えても、優に300は超えてしまいますが、数え方によっては、格言の通り千に届いてしまうかもしれません。環境や食生活・生活習慣の変化、人類の進歩などによって、新しく発生する病気が多いのは確かです。

症候群とか症が付く病気の登場も、そのあらわれです。たとえば、重症急性呼吸器症候群(SARS)、後天性免疫不全症候群(AIDS)、認知症、統合失調症などは、近年になって登場した新参者といえます。

一方、医薬の発達によって、結核のように、不治の病怖くない病気に変わってその数が減ったものや、デング熱などのように、名前すら忘れられつつある病気もあります。人間個々人がそれぞれ独立した生体であることを考えると、心身の様子や状態は千差万別です。

このことから飛躍させると、地球上の何十億という人間が固有の病気をもっているとしても不思議ではなく、そうなれば病気の数は世界の人口以上になってしまいます。

ところで、仮病(詐病)は病気に入るのか。以前、公務員がこの病気を理由に長期欠勤して問題になったことがありましたが、これはとくに異常な症状もなく、医師の治療や投薬も必要がないですから、病気とはいえないでしょう。

風邪は内科じゃないのかい

大きな総合病院に行くと、受診科目の多さに驚きます。昔は、内科、外科、皮膚科、眼科などとなっていたのが、いまでは、たとえば内科では、呼吸器、循環器、消化器といった風に器官別に分類され、専門化・細分化されています。

近所のかかりつけのお医者さん(開業医)が何でも診てくれた、というのは昔の話ですが、近頃はまず開業医で受診し、必要があれば大きな病院を紹介してもらうという仕組みが見直されています。

最初に病気になったのは誰?何の病気?

「千」の病気の起源、人類が最初にかかった病気は何でしょうか。もちろん、当時の生存者や目撃者が生存しているわけがありませんから、正解を求めることは不可能です。

さまざまな推測や理論からすれば、大昔の人々は生きるために目の前の動植物を食べていたのですから、なかに毒性のあるものがあって、食中毒(毒物中毒)になった。これが人類の病気第一号ではないか、という説もあります。

また、ある種の寄生虫がいて、これに起因した病気ではないかとう意見もあります。いろんな説がありますが、人類の歴史を紐解いて、食生活や健康について推理を働かせるのも楽しいものの、過去に遡って病気を特定することはできません。

そもそも病気って何なんだ

病気の定義は、やさしそうでむずかしい。「健康でない状態が病気。」「では、健康とは?」「病気でない状態」これでは笑い話になってしまうが、辞書には、「生物の全身または一部分に生理状態の異常をきたし、正常の機能が営めなくなる減少」と定義されている。他の辞書では「身体や精神に生理状態の変化を生じて、苦痛や、健康のときとはちがった感じを感じる現象」となっている。

心身の異常やその感じ方には個人差があり、しかも健康と病気の境界線をどこに引くか。病気の概念は、抽象的で曖昧で、理解しにくい。医師の治療が必要な状態が病気とすれば、それを決めるのは医師となる。また、新しい症状が病気としての市民権を得るのは、どういうときか。これもむずかしい。

さきに、朝日新聞が「医療難解100語言い換え 国語研 来春までに指針」という記事を掲載しました。この中には、COPD、HbA1c、MRSAといった略語をはじめ、腫瘍マーカー、エビデンス、レシピエントなどのカタカナ語が多数ありますが、間質性肺炎、慢性腎不全、自律神経失調症、膠原病といった病名もたくさんリストアップされています。やっぱり、医療はむずかしいということかもしれません。

人生いろいろ。健康もいろいろ

さて、「健康は一つしかない」という概念ですが、医科学・薬学や文明の進歩、環境の変化などによって、健康についても細分化されて数を増やしているとも考えられます。

最近よく耳にする「未病」という言葉は、病気よりもむしろ健康の範疇に含まれるでしょうし、病気でない状態(これを健康と定義すれば)にも、病気直前の状態から病気とは程遠い超健康状態まで、格差がありそうです。やがて、「健康状態1」(すこぶる健康)とか、「健康状態5」(病気直前の要注意状態)などと細分化される時代がくるかもしれません。