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健康豆知識
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太極拳

太極拳は、古い歴史をもつ中国武術のひとつで、体内のバランスを取り戻すことから、武術としてよりも健康維持や病気治療、長寿のための体操として、多く採り入れられています。

中国の公園などで、大勢集まって太極拳を演じている様は、日本のラジオ体操のようなある種の健康体操といえましょう。

起源については、歴史があまりにも古いことや多くの説などがあることから、明確ではないということで、こうした事情も太極拳を伝説化しているといえます。

歴史の古さは、たくさんの流派を生んでいます。普通は、陳式、楊式、呉式、武式、孫式が5大流派といわれていますが、ほかにも、分派として和式や簡化、八十八式、四十八式など、枚挙に暇がありません。

太極拳の特徴は、陰陽変化の理に則って、緩やかに円を描くような動作をメインとしていることで、実際に行うときには、リラックスした自然の姿勢とゆっくりした運動で、腹式呼吸しながら意識をひとつに集中します。

こうした動きによって、全身の筋肉をほぐすことができ、同時に関節の靭帯や筋肉を改善・増強することができますので、全身だけでなく気分も軽快になります。

太極拳は、とくに高齢者にとって体や心の健康を増進するばかりか、免疫力の向上に大きな働きをすることが解明されており、これをがんをはじめとする難病の治療として、ホリスティック医療のひとつとして積極的に採り入れ、成果を上げている病院や医療機関も増えています。

ホリスティック医療の中で、太極拳は、痛みやストレスを癒すボディワークのひとつとして、オステオパシーやカイロプラクティック、指圧、整体、リフレクソロジーなどと並んで、重要な位置を占めています。

もちろん、運動競技としての太極拳も盛んですが、健康のための太極拳もますます重要になってきており、医学的な研究や医療への採り入れも活発になっています。

現に、アメリカの医学誌は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で行った、帯状疱疹の原因となるウィルスに対する免疫能が太極拳によって有意に向上したという研究を発表しています。

これによれば、同大学で高齢者112人に25週にわたって実施した研究で、太極拳を行うだけで水痘帯状疱疹ウィルスに対する免疫力が、ワクチン接種に匹敵するレベルまで向上することがわかったとか。

太極拳とワクチン接種を併用した場合は、免疫力が中年成人と同レベルまで達したということです。担当した教授は、研究の結果として、太極拳がインフルエンザや肺炎のようなほかの感染性疾患に対しても期待できる、と将来への期待を述べています。

長い歴史の過程に中でたくさんの人々と関わってきた太極拳ですが、その働きについては、まだまだ解明されていない効果が潜在しているということで、今後の研究に大いに期待したいものです。