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健康豆知識
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漢方

漢方は、数千年にも及ぶ古くから中国に伝わる伝統医療のひとつで、漢方イコール漢方薬のように思われがちですが、漢方薬はいわゆる漢方(漢方医療)の中のひとつで、この中にはほかにも鍼灸、気功、太極拳などがあります。

漢方で用いられる漢方薬は、5種類以上の「生薬」(しょうやく)を組み合わせて処方したものが使用されます。

これには、形状によって3つの種類があります。ほとんどは煎じて使うもので、湯、飲、方などといった処方名がついています。あとの2つは粉にして使用する散と、それを固めた丸です。

生薬というのは、動物、植物や菌類の全体か一部分、もしくは動物、植物、菌類の生成したものを採り出して、乾燥、加工した原料(医薬品)で、西洋医学の薬品とは異なります。

漢方(漢方医療)という東洋医学が西洋医学と大きく違うところは、西洋医学が病原菌を殺す治療を目的としているのに対し、漢方は治療よりもむしろ免疫力や自然治癒力を高めることに主眼を置いていることです。

まず病名を特定して、同じ病気の人には同じ薬を使うのが西洋医学ですが、東洋医学(漢方)は病名よりも先にどんな薬がいいかを判断します。
同じ病気でも、人によって薬が同じではないことも、東洋医学の大きな特徴で、個々人の体質や現在の体調、症状の現れ方などに合わせて配合した漢方薬を服用します。

西洋医学は「病気」を重視、一方の東洋医学は「症状」を重視、といったところです。漢方がオーダーメイド治療であるといわれる所以です。

日本には5~6世紀から入ってきて徐々に定着し、江戸時代に日本独特の伝統医療として体系づけられたといわれています。

漢方医学という名称は、18世紀に伝わってきたオランダ医学(蘭方)に対応して名づけられたもので、この漢方医学の考えに基づいて処方されるのが漢方薬という訳です。

現在の中国で用いられている伝統医療は、日本の漢方医学とは違い、「中医学」と呼ばれます。ですから、漢方医学で使われる漢方薬と中医学の中医薬は同じではありません。

漢方薬については、1976年から一部のものが健康保険の対象になったことや、免疫力・自然治癒力を高めるといった統合医療的な働きが見直されてきたこと、さらに、西洋医学が十分にカバーしきれないところを埋めたり、西洋医学と併用してより高い効果が期待できると評価されるようになったことなどにより、見直され注目を集めるようになっています。

これからますます高齢化が進む社会において、漢方の役割はさらに重要になっていくものと思われます。大学で西洋医学を身につけた多数の医師に中にも、漢方に関心を抱く人が増えていますし、慶応義塾大学医学部の漢方医学講座のように、漢方に目を向ける大学や、それを診療にとりいれる病院も多くなっています。