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ナチュロパシー

人間の体が本来持っている自然治癒力を活用して健康を維持し、病気を治す医学のひとつに「ナチュロパシー」(Naturopathy)があります。

自然療法と訳されるこの療法は、アーユルヴェーダに代表されるインド医学や、漢方、鍼灸、気功などの中国医学、それにヒポクラテス医学のようなギリシャ医学など、数千年も昔から世界各地で受け継がれている自然治癒力に頼るという療法と共通しています。

しかし、ナチュロパシーの歴史は新しく、ドイツ人の医師ベネディクト・ルストが
19世紀末にニューヨークで始めたアメリカ・ナチュロパシー・スクールが最初だといわれます。

ナチュロパシーの考え方は、食事、運動、気持、感情、環境などによって健康が左右されるというものですから、実際の治療は広範にわたります。

たとえば、生活指導やカウンセリングから食事指導や食餌療法に始まり、鍼灸・気功療法、運動療法、水療法、超音波療法、薬物療法など枚挙に暇が無く、こうした組み合わせはまさに統合医療といった感じです。

治療というよりはカウンセリングといったニュアンスが高く、生活習慣や食生活、仕事、疾病暦などを問診した後、前述の中から最適な治療を施す傍ら、生活習慣などに対して適切で細かいアドバイスをするわけです。

症状を聞いて診察し、薬品を処方するといった従来の西洋医学とはニュアンスが違い、医師にとっては手間がかかる上に広範な知識が求められますし、患者にとっては即効薬で早く治したい願望がありますので、このナチュロパシーはとかく敬遠されがちです。

私たちの周辺にも、この療法をメインにしている医療機関や医師はほとんど見当たらないといったところが現状ではないでしょうか。

医師の本来の役目は、診断・治療にとどまらず、患者との健康的な協力関係を保ちながら、健康を意識させそのための自己改革に導くことです。
R.カニン博士は、医師の治療基準として次の3つを挙げています。

  • 患者に病気を説明する。
  • その病気にどう対処すべきか教える。
  • 自分でも病気を治すという意識を患者に与える。

この考えは、まさにナチュロパシーの精神そのものです。

ナチュロパシーの祖でもあるルストは、「人間の死因の大半は誤った生き方と薬だ」という言葉を残しています。これこそ、ナチュロパシーの真髄ではないでしょうか。

ナチュロパシーは、まだ日本ではなじみの薄い存在ですが、保険医療費の増加や、WHO(世界保健機構)が従来の医学とナチュロパシーの統合を勧めていることなどから、これからもっと盛んになるものと思われます。