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アポトーシス

「あらかじめプログラムされた細胞の自然死」という意味のアポトーシス(Apoptosis)という言葉に、最近よく出会います。
ギリシャ語のapo(離れて)とptosis(落ちる)を組み合わせた造語ですが、これはKerr、Wyllie、Currieという3人の病理学者がいまから30年近く前にネクローシス(壊死)との形態学的な違いから見出した細胞死にこの名称をつけたものです。

理解しがたい用語ですが、この細胞死について一般的には、植物の落ち葉、胎児の指の形成、がん細胞の死滅などと解説する文献もあります。
1990年以降、細胞死の中のアポトーシスのプロセスやメカニズムが、医学だけでなく生物学などさまざまな分野で脚光を浴び、世界の研究者や医師などが意欲的な研究を進め、多くの成果を見せています。
最近では、自己免疫疾患の病因にアポトーシスの異常が関与しているのではないかとの観点からの研究も盛んに行われています。

アポトーシスの周辺の言葉としては、前述のネクローシスとアポビオーシスがあります。ネクローシスは、炎症居に見られる細胞の自然死のことで、細胞の事故死と言われます。アポビオーシスは、寿命による細胞死のことです。

アポトーシスとガンについては、アメリカのスタンフォード大学のグループが「がん化した細胞が低酸素状態にさらされると、細胞が自発的に死ぬ、つまりアポトーシスを引き起こす」ことを、最近発見し発表しています。
ガン抑制遺伝子「P53」が欠けた細胞ではガンは悪性化するといい、このことから、抗がん剤や放射線による治療が効かなくなる現象も、説明できるようになるのではないかと期待されています。

また、フコイダンがガン細胞に自殺を促す作用があることが発表されていますし、UCLA/Drew UniversityのM.ゴーナム博士は、米ぬかアラビノキシラン誘導体に、細胞を自殺に追いやるアポトーシスの働きがあることを発表し、脚光を浴びています。

東京大学の研究グループは、細胞の自然死(アポトーシス)に関係した遺伝子を130個発見したと発表しています。アポトーシスが、これからの医療にとって重要な要素になることは間違いないでしょう。