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音楽療法(2)

欧米で盛んに研究・実践されている療法の「究極の技法」のひとに、音楽療法(Music Therapy)があります。

患者にいろいろな楽器で自由に即興演奏をさせ、自身の実体験を通して患者の心の底から揺り動かすという治療法で、神経症や心身症などの症状にとくに高い効果があると言われています。

即興の楽器演奏といえば、ピアノやバイオリンなどでメロディーを奏でることを連想しがちですが、この療法では、メロディーにする必要はなく、ティンパニーや太鼓から木魚まで打楽器で自由に音を出すことで十分と言われています。

自然界で鳴っている音はすべて音楽である、という考えに立った療法ですので、楽器でなくても、壁や窓を叩いても床を踏み鳴らしても、音楽とみなされる訳です。極論すれば、楽器のない部屋でも音楽療法は可能ということになります。

もちろん、即興演奏の後で、患者同士や患者と治療者の間で、感想や意見交換を積極的に行う必要があることは、言うまでもありません。気の向くままに楽器を鳴らすという日常生活とはかけ離れた音楽体験をすることで、内面の意識や感情が喚起させ、吐き出させ、意識化に導く。この癒しのプロセスは、絵画療法とも相通じていると言われます。

音楽療法には、能動的に楽器を演奏する方法のほかに、音楽を鑑賞するという方法もあります。
日本でもこの分野の研究は盛んで、たとえば、血圧について「高い」「正常」「低い」の3つの被験者に、それぞれ「モーツアルト」「クラシック」「歌謡曲・演歌」を聞かせたところ、血圧と自律神経の緊張度がよい方向に導かれたという発表もあります。これは、音楽を聞くことによって呼吸数が変化し、これがまた自律神経に作用した、と考えられています。

最近では、生活習慣病の予防には、3500ヘルツ以上の高周波を含んだ音楽を聞くのが効果的ということを、実際にモーツアルトの曲で証明した学者もいます。モーツアルトの曲が、延髄を刺激し、副交感神経を活性化し、これが生体機能に良い影響を及ぼすという訳です。この学者は、たとえば脳神経系疾患には「アイネ・クライネ・ナハトムジーク第3、第4楽章」がいい、と発表しています。

日本でも、音楽療法を採り入れる医療機関は増えていますし。研究・啓蒙をする団体や法人もいくつかあります。たとえば、「日本音楽療法学会(日野原重明理事長)では、音楽療法による社会貢献を目的として積極的な活動しており、音楽療法士の認定も行っています。