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シュタイナーの思想

人間は物質の世界だけでいきているのではない、と精神世界の重要性を説いたシュタイナーの思想や生き方は、いろんな分野に大きな影響を及ぼしています。

ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)は、旧オーストリア(現クロアチア)生まれの思想家・哲学者で、独自の新しい世界観「人智学」(アントロポゾフィー)によって広範な精神運動を創設したことで知られています。

これは、感覚世界と超感覚的世界を結ぶ精神科学の学問といわれますが、彼の思想や世界観は、物事を単に一面的にとらえるのではなく、常に全体を視野に入れるといった演繹的な考え方に基づいていろいろな側面でとらえ、その基礎となる本質を見極めることによってさまざまな事柄に応用していく、というものです。

この思想は、単に机上の学問としてではなく、医学や薬学をはじめ、芸術、農業、社会学から企業活動まで、あらゆる分野でいまでも実践されています。

教育の世界でも、古くからこの思想をとりいれた学校はヨーロッパをはじめ世界各地にあり、最近また注目を集めています。シュタイナーは、この精神科学を広めるために生涯で6000回を超える講演を行ったと言われます。

この「人智学」については、人間は誰しも生まれながらにして霊能力を持っているが、物質主義に寄っているためにその力は抑えられてきた。しかし、瞑想したり、念をこめて知力を上げると、この状態は克服できる、という考えが根本にあります。

病気の治療に関しては、基本は調和にある、としています。まず、人体は神経感覚組織(思考)、新陳代謝組織(意思)、血液循環組織(感情)の三層構造であると規定した上で、病気とはこの三層のバランスが崩れた状態であり、それを取り戻すことを目的としたのが治療であると述べています。ドイツを中心とした医学もこの思想の影響を受け、最近では、原点に基づいた人間的な医学として注目されています。
病気に対する処置法として、シュタイナーは次の三つの方法を挙げています。
1) 医薬等物理的な手段を用いる方法。
2) 芸術を通して身体に治癒的に働きかける方法。
3) 精神科学への瞑想的沈潜による方法。

ややもすれば薬品や化学療法一辺倒になりがちな医療ではなく、自然の摂理の中の人間を宇宙の中の一部と見て、ヒーリングやセラピーなどといった精神科学の領域にまで立ち入って病気に対峙するものです。そこには、医学として独立したものではなく、歴史や社会学、倫理学、芸術などの学問と相関した姿が見てとれます。哲学者だから完成しえた思想ということでしょうか。

シュタイナーの思想のすべてを理解するのは容易ではありませんし、ここでわかりやすく解説することも不可能ですが、世界の存在の中で人間が存在する意味や、生と死、感情、本能、記憶などについて知る上では参考になるでしょう。