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法医学Dr.健康情報

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長生きするための血流改善

代表的な長寿国 

厚生労働省の調査によると、平成24年の平均寿命は男性が79.9歳、女性が86.4歳と過去最高です。そして、65歳以上の人が24.1%を占めています。高齢化が社会問題とされていますが、反対に考えると、日本人の多くが長生き出来るようになったわけです。その背景には、わが国の治安が良いこと、衛生的であること、誰でも医療の恩恵を受けられること(国民皆保険制度)などがあるでしょう。戦後まもない昭和22年の平均寿命は男性が50.1歳、女性が54.0歳ですから、いかに近年平均寿命が延びたかがご理解頂けると思います。

さて、平均健康寿命という言葉をご存知でしょうか。健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義されていますが、簡単に言えば寝たきりにならないで生活できる平均の期間(年齢)ということです。平成22年にはこの年齢が男性で70.4歳、女性で73.6歳でした。先にお示しした平均寿命と大きな差がありますね。寝たきりになると、介護が必要になり多くの負担が発生します。政府は、なんとか健康寿命を延伸するように対策を取り始めています。わが国で介護が必要になる最大の原因は脳血管障害(脳卒中)です。ですから、生活習慣病の予防を積極的に行うことは、健康寿命を延ばすために必要なのです。 

健康のために 

平成19年には、40歳以上の人のうち、メタボリック・シンドロームが強く疑われる人と予備軍の人は2000万人を超えていました。政府は昨年に「21世紀における第2次国民健康作り運動」を策定し、生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病の発症予防に重点を置くことを推進しています。かつて、戦後の時代に栄養不足が問題とされていましたが、現在は過剰摂取と栄養の偏りが問題です。このような問題を解決するためにも、食生活を考え直すのはいかがでしょうか。ちなみに政府が策定した運動のなかには、「食品中の食塩や脂肪の低減に取り組む食品企業及び飲食店の登録数の増加」を目標の一つに挙げています。食品を提供する側にも配慮が必要ということでしょう。

 血流改善を目指す  

肥満、糖尿病、脂質異常症が放置されれば血液の流れ(血流)は悪くなります。血液が固まりやすい状態になると心筋梗塞や脳梗塞が生じます。したがって、血流を良くするような食生活をこころがけましょう。なにも心臓や脳の病気だけではありません。血流が良くなると冷えや肩こり、痔などが良くなるとも言われています。したがって、日常生活への支障が改善されることもあるでしょう。自分は大丈夫と思っておられる方でも、まず検査を受けて異常がないかを確認して下さい。平成22年には、健診や人間ドッグを受けたことがある人は20歳以上の人の64.3%でした。受けない人に理由を尋ねたところ、「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」と答える人が最も多かったのです。しかし、血流が悪い状態を放置していれば、突然、大きな病気に襲われて健康寿命を奪われるかもしれないのです。症状がないからといって安心してはいけません。 

日本食を見直そう 

これまでの連載でお話ししましたが、納豆などの伝統的な日本食は血流改善に良いのです。農健やかにして食健やか、食健やかにして人健やかという言葉があるそうです。皆さんも日本食を見直して長生きしようではありませんか。

プロフィール
一杉 正仁 (ひとすぎ まさひと) 氏

滋賀医科大学 教授

一杉 正仁(ひとすぎ まさひと)

1994年、東京慈恵会医大卒。川崎市立川崎病院勤務を経て東京慈恵会医大大学院修了、同大助手、獨協医科大学法医学講座准教授を経て、現職。国立大学法人滋賀医科大学医学部社会医学講座 法医学部門教授。医師、医学博士。日本法医学会法医認定医。日本法医学会評議員。

専門は血栓症突然死の病態解析、バイオレオロジー、予防医学。国際交通医学会東アジア地区担当理事、日本バイオレオロジー学会理事、日本交通科学会理事、日本医学英語教育学会副理事長などを務める。2010年、International Health Professional of the Year, 2010 受賞。いわゆるエコノミークラス症候群の原因究明、納豆による血栓症予防についての研究で広く知られており、代表著書に「ナットウプロテアーゼ」などがある。

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