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自然治癒力を高める東洋医学の考え方[2](インタビュー)

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自然治癒力はどこまで期待できるか自然治癒力を上げる方法

癌にいったんなってしまったら、癌細胞を攻撃する治療を受けないと治らないというのが、一般的な考えです。しかしこれは必ずしも正しくありません。少なくとも、何らかの理由で常に発生している少数の癌細胞は、免疫力が適切に維持されている限り、それが増殖する前に排除されています。
つまり、免疫が正常である限り、私たちの体の中では、「治療など一切受けずに、常に癌が治っている」状況にあるのです。

大きな癌があってもいつのまにか自然と消えてしまう例が稀にあります。これを癌の自然退縮と呼んでいます。体の中で自然退縮を引き起こす状況を再現できれば、癌を治すことができます。その状況は何かを多くの研究者が研究してきました。

具体的な方法はまだ見つかっていないのですが、免疫力など体の治癒システムの活性化がカギであることに多くの研究者が気付いています。全身の栄養や血行を改善して生体の新陳代謝を高め、免疫力を高めて防御システムを回復させれば、治癒力が働いて徐々に癌細胞を減らしていくことも可能なのです。

現実問題として、進行した癌が、体の治癒力だけで消滅させることは極めて少ないのは事実です。しかし、体の治癒力を高めることは、癌の進行を遅らせて、延命に効果があることは期待できます。癌細胞を徹底的に攻撃するのではなく、生体の免疫力や自然治癒力を高めることで、癌の進行をストップさせ、癌と共存しながら延命を計るという考え方も、これからの癌治療には必要とされています。

癌に対する自然治癒力を高める上で、食事の重要性を指摘する研究は多くあります。たとえば、ブリティッシュコロンビア大学、フォスター博士がガンの自然退縮(消えて無くなること)した200人を調べたところ87%は根本的に食事を大きく変えていて、その食事はほとんど菜食主義的な食事をしていたと報告しています。

昔から、野菜は血液をきれいに保ち、動物性食品(肉)は血を汚くすると信じられてきました。実際、野菜の中には抗酸化物質や血小板凝集抑制作用を有する成分が多く含まれているため、野菜の摂取は血液の循環を改善し、新陳代謝や免疫力を向上し、治癒力を増強されることも期待でき、結果として癌の再発予防や治療の効果を高めることができます。

この場合、ただ単に免疫力だけに注目するのでは十分な効果は期待できません。体全体の抵抗力と治癒力を総合的に高める視点が大切です。体をつくるのは食物から取られる「栄養素」であり、自己治癒力の元も栄養素です。
したがって、食物を消化吸収する胃腸の働き、吸収した栄養を体の隅々まで行き渡らせるための血液循環、細胞や組織の新陳代謝を高めることが自己治癒力を高める必要条件になります。

栄養が十分に行き渡り、新陳代謝が活性化すると、細胞や組織の修復や再生能力は維持され、自律神経やホルモンが正常に働いて体全体の調和が保たれ、免疫力などの体の抵抗力が十分働くことができるのです。
このような条件が整った時に、免疫力を高めるような健康食品やサプリメントを利用すれば、抗癌力を最大限に高め、癌を自然退縮させることも不可能ではありません。

プロフィール
福田 一典(ふくだ かずのり)氏

銀座東京クリニック 院長

福田 一典(ふくだ かずのり)

昭和28年福岡県生まれ。昭和53年熊本大学医学部卒業。熊本大学医学部第一外科、鹿児島県出水市立病院外科勤務を経て、昭和56年から平成4年まで久留米大学医学部第一病理学教室助手。その間、北海道大学医学部第一生化学教室と米国Vermont大学医学部生化学教室に留学し、がんの分子生物学的研究を行う。
平成4年、株式会社ツムラ中央研究所部長として漢方薬理の研究に従事。平成7年、国立がんセンター研究所がん予防研究部第一次予防研究室室長として、がん予防のメカニズム、および漢方薬を用いたがん予防の研究を行う。平成10年から平成14年まで岐阜大学医学部東洋医学講座の助教授として東洋医学の教育や臨床および基礎研究に従事した。現在、銀座東京クリニック院長。

<主な著書等>
「がん予防のパラダイムシフト--現代西洋医学と東洋医学の接点--」(医薬ジャーナル社,1999年)、「からだにやさしい漢方がん治療」(主婦の友社,2001年)「見直される漢方治療~漢方で予防する肝硬変・肝臓がん」(碧天舎,2003年)など。

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自然治癒力を高める東洋医学の考え方[2](インタビュー)

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