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「機能性表示食品」制度がスタート

昨年、アベノミクスの成長戦略の一貫として健康食品の新たな機能性表示制度が掲げられ、今年4月に新制度がスタートしました。今回はこの「機能性表示食品制度」の概要と現況についてご紹介します。

日本で機能性表示制度、アメリカのDSHEA法を参考 

2015年6月2日、主婦会館プラザエフ(東京都千代田区)で薬健研シンポジウム「平成27年度定時総会」が開催され、「新たな機能性表示食品制度」について、河原 有三氏(健康食品産業協議会 副会長)、森下 竜一氏(大阪大学大学院教授 規制改革会議 委員)らが講演しました。

機能性表示食品制度は、1994年にアメリカのクリントン大統領政権下で施行されたDSHEA(栄養補助食品教育法案)を参考にしたものです。アメリカでは90年代に入り、高騰する医療費を抑制するため、医療現場に代替医療の導入を積極的に推進しました。DSHEAでは、健康に寄与するという科学的論拠が明確であれば、効用のラベル記載が許可されました。また、雑誌の記事などに掲載されている情報も販売の際に使用が可能となりました。このようなDSHEAが追い風となり、アメリカでのサプリメントやハーブの市場は毎年2桁台の伸びで急拡大していきました。

届出の資料の複雑さで難航も 

DSHEAを参考にした、日本における新たな機能性表示食品制度はこの4月に施行されました。6月上旬の段階で180商品以上の商品が届出され、26商品が認証されています。思ったほど認証が進んでいないとの声もありますが、事業者側からは「届出の資料が非常に複雑」「ハードルが高い」という声も聞かれるといいます。一方、消費者庁側からは「提出資料のばらつきが非常に多い」との指摘もあります。

トクホでしか認められていなかった表示も可能に 

新制度の表示ルールとしては、「診断」「予防」「治療」「処置」といった医学的な表現や、疾病の表示も認められていません。ただ、これまでトクホでしか認められていなかった、「食事から摂取した脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収を穏やかにする」「おなかの調子を整える」などのかなり具体的な機能性表示が可能になっています。

機能性表示制度の審査の中で、特に消費者団体や報道機関等から懸念されているのが、「安全性の根拠」と「機能性の根拠」です。アメリカではDSHEA施行後に「過剰摂取」の問題がよく指摘されました。

しかしながら、超高齢化社会の到来により、健康食品の果たす役割が今後ますます大きくなることは明らかです。上記の審査項目の基準を満たした機能性表示の健康食品が世に出ることは、人々の健康に寄与するだけでなく医療費抑制にも繋がります。日本抗加齢協会は、日本抗加齢医学会の協力・監修のもと「機能性表示食品データブック」を作成しており、今年10月末に発売予定です。この書籍では消費者庁が発表した機能性表示のガイドラインに則って健康食品や機能性素材の研究レビューを作成・掲載するというもので、医師が監修した日本で唯一の機能性表示制度に合致したレビュー集になります。また、このような情報の共有を期待する医師も多いのではないかと考えられます。

「機能性表示食品制度」は始まったばかりで指摘や懸案事項も多い制度ですが、予防医学や健康寿命の延伸に活用するためにも、業界団体だけでなく抗加齢医学会や抗加齢協会などと連携し、多くの国民にとって役立つ制度にしてゆくことが望まれます。